富士通研究所、指先で操作可能な指輪型ウェアラブルデバイスを開発

2015年1月13日 17:39

 富士通研究所は13日、手書き入力機能とNFC(Near Field Communication)タグリーダを備えた小型軽量な指輪型ウェアラブルデバイスを開発したと発表した。

 開発した技術の特長は、指輪型ウェアラブルデバイスに搭載したモーションセンサーの情報から、空中で手書きをする指先の運動成分を抽出し、その軌跡を使って手書き文字を入力・認識する技術を開発した。現場作業で良く行われる数字入力に関しては、入力のための訓練をすることなく約95%の認識率を達成した。

 また、空中で文字を書く場合、文字を構成する線と書き出しまでの移動とを区別する必要がある。これをボタンで操作するのは煩雑なため、一筆書きで文字を入力する方式を採用した。一般に一筆書きでは、ペンやタッチの手書き入力よりも認識率が低下する。また、手書きの軌跡を認識せずにメモとしてそのまま残す場合、文字の各部位がつながるため読みにくくなる問題が生じる。

 今回、一筆書きの軌跡から文字として不要な連結部分を自動的に認識して、軌跡データを補正する技術を開発した。この補正により、文字の視認性やテキスト変換の認識率を向上させることが可能になった。さらに、指先に装着して様々な機器の入力操作が可能なデバイスで10g以下の軽量化を実現した。

 富士通研究所は、実際の現場で開発したデバイスを使った操作性などの検証を行い、2015年度中の実用化を目指す方針だ。

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