NYの視点:米12月雇用統計、堅調な伸びを示すとドル買い再開も

2015年1月9日 07:01


*07:05JST NYの視点:米12月雇用統計、堅調な伸びを示すとドル買い再開も

米労働省が発表する12月の雇用統計で堅調な雇用の伸びが証明されると、FOMCによる2015年の利上げを織り込むドル買いが再開すると考えられる。昨年の12月16-17日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録の中で、米連邦準備制度理事会(FRB)は「労働市場に依然たるみが見られる」としながらも、堅調な伸びを予想していることが明らかになった。FRBの高官らは雇用の伸びが「予想を上回った」との見解を示している。

事前に発表された民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の12月分は前月比24.1万人増と、市場予想の22.5万人増を上回り2013年11月以来で最大の伸びとなった。また、11月分も22.7万人増と20.8万人増から上方修正された。同統計は先行指標の中でも労働省が発表する米雇用統計と最も相関関係が強いとされる。

市場エコノミストは雇用統計で失業率が5.7%と11月の5.8%からさらに低下し2008年6月以降で最低になると予想している。また、非農業部門雇用者数は前月比24万人増を予想している。2014年の11月までの雇用の平均は24.1万人増。通年では11月の時点ですでに265万人の雇用を新たに創設しており、雇用総数は1990年代後半以降で最大に達した。また、企業の雇用削減の統計を行っている米チャレンジャー社によると、2014年の企業の雇用削減総数は1997年以来で最低を記録したという。

■12月雇用統計の先行指標

・米・12月ADP雇用統計:前月比+24.1万人(予想:+22.5万人、11月:+22.7万人←+20.8万人)

・米・12月チャレンジャー人員削減数:前年比+6.6%(11月-20.7%)

・ISM製造業景況指数
雇用:56.8(11月54.9)、8月来で最大

・ISM非製造業景況指数
雇用:56.0(11月56.7)、7月来で最低

・NY連銀製造業景況指数
雇用(現状):8.33(11月8.51)
6か月先予想:20.83(11月24.47)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):7.2(11月22.4)
6か月先予想:21.7(11月23.00)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):13(11月10)
6か月先予想:23(11月22)

・消費者信頼感指数

雇用(現状)
十分:17.1(11月16.2)、8月来の高水準
不十分:55.2(11月55.1)
困難:27.7(11月28.7)

雇用(6か月先予想)
十分:14.7(11月15.5)
不十分:16.9(11月16.1)
困難:68.4(11月68.4)

■市場予想

失業率:5.7%(11月5.8%)
非農業部門雇用者数:前月比+24万人(11月+32.1万人)
民間部門雇用者数:前月比+23万人(11月+31.4万人)《KO》

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