トヨタの14年中国販売目標割れ、15年も110万台に目標据え置き
2015年1月8日 12:33
*12:33JST トヨタの14年中国販売目標割れ、15年も110万台に目標据え置き
トヨタ自動車<7203>の中国統括管理会社、豊田汽車(中国)投資有限公司(TMCI)は6日、合弁会社の一汽トヨタ・広汽トヨタ、輸入車を合わせた2014年の中国販売が前年比12.5%増の103万2400台だったと発表した。100万台の大台を初めて突破したが、目標の110万台には6万7600台(6.2%)届いていない。中国新車市場の成長鈍化が顕著となるなか、日産自動車(7201/東証)、ホンダ(7267/東証)を含めた日本大手はそろって苦戦を強いられた。日産とホンダはこれ以前に、昨年の中国販売目標を下方修正している。第一財経が7日付で伝えた。
トヨタの12月中国販売は、前年同月比15.3%増の12万5000台。1~11月は前年同期比12.2%増の90万7400台だったことから、14年目標の110万台を達成するには、12月だけで19万2600台を売り上げる必要があった。
一方、2015年の中国販売目標については、110万台に据え置く。現地化戦略をより一層推進する。「中国で現地生産するハイブリッドエンジンを積んだカローラ、レビンなど、より良質な製品を中国の消費者に提供する」との方針を発表した。
日本勢の中国販売不振の背景にあるのは、現地競争の枠組みの変化が指摘されている。中国自主ブランド車のミドル・ハイエンド市場への進出と、欧米高級車の大幅値下げで、日本勢が得意とするミドルセダン市場がシェア争奪の主戦場となったため。得意とするローエンド市場でのシェアを外資合弁メーカーに奪われる中で、一部の中国自主ブランド車メーカーは、ミドル・ハイエンド市場へと参入。投入車種の中には、日系車に照準を絞った車種もあった。
また、日本車を取り巻く環境を巡っては、中国への技術導入と新車投入ピッチの遅れを指摘する声も強まっていた。これを受けてトヨタ、日産、ホンダは中国戦略を変更。新エネ車技術やターボ技術の導入を加速させた。同時に、中国での開発・設計力を強めている。しかしこれについても、中国の一部業界関係者は厳しい見方を示す立場だ。「技術分野は一般的に、3年前に着手してようやく現在の市場情勢に追い付くといわれている」と解説。「足元の戦略調整が効果を発揮するには、ある程度の期間を要する」との認識を示している。
【亜州IR】《ZN》