NYの視点:12月FOMC議事録は中立

2015年1月8日 08:04


*08:05JST NYの視点:12月FOMC議事録は中立

米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げが4月以降になる可能性が強いと見ているようだ。労働市場に依然たるみが見られ、国際情勢が景気の下方リスクと見ている。昨年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)(12月16-17日開催)の議事録の中で明らかになった。ロシア情勢の悪化、地政学的リスクの上昇、欧州など世界経済が停滞する状況下で行われたこのFOMCの声明の中では、国際情勢に関する懸念には言及されていない。

国際情勢の展開は現段階で形成を覆す状況ではない。国外の経済の混乱が米国の著しいリスクとなることは確かだ。しかし、同時に、各国当局が追加的に成長を誘導する措置を導入し対応することをFRBメンバーは織り込んでおり懸念をはねつけ結果的に楽観的な見通しに落ち着いた。一部のメンバーは2014年度の堅調な雇用の成長、消費者や企業の信頼感の改善が実質経済が予想以上に力強く拡大する可能性を示唆していると指摘。経済の下方リスクと上方リスクが均衡していると議事録で示された。

インフレに関しては、ドル高や原油安が一時的にインフレを低下させると見ており、広範に賃金が上昇している明確な兆候は見られないとした。エコノミストは上半期にFOMCが利上げを開始するには「賃金の上昇が必要」と見ている。米連邦準備制度理事会(FRB)は現在のコアインフレの水準でも利上げが可能だと見ていることが明らかになったことはタカ派の要素として捉えられている。《KO》

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