産総研、納豆菌で合成界面活性剤の使用量を100分の1にできることを明らかに
2015年1月6日 21:26
産業技術総合研究所の井村知弘主任研究員らによる研究グループは、納豆菌を用いて量産できるサーファクチンを微量添加することで、合成界面活性剤の量を100分の1に減らせることを明らかにした。
合成界面活性剤は、環境中に拡散されることが懸念されており、使用量の低減やバイオ由来の界面活性剤への転換が求められている。
今回の研究では、納豆菌から量産できるサーファクチンを、洗剤の主成分であるアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムに添加して界面活性効果を調べた。その結果、サーファクチンを10%加えると、合成界面活性剤の使用量を100分の1に減らしても、同等以上の界面活性効果(表面張力低下能)を示すことが分かった。
研究者メンバーは「今後は、バイオだけでなく、有機化学的な観点も取り入れながら、多様化する界面活性剤のニーズに応える新しい高性能界面活性剤の開発を目指していきます」とコメントしている。