2015年3月、過去最高益を確保するマツダ その快進撃を次世代新型車が支える
2015年1月5日 22:45
2014年、広島に本拠を置く自動車メーカー、マツダの快進撃が止まらない1年だった。2015年3月期の同社の純利益は前年比118%の1600億円、過去最高益を見込んでいる。海外における新車販売が好調で、円安も貢献した。同期のマツダ車の世界販売は、当初計画どおり前年比107%の142万台。マツダによると、2014年4~9月期の連結純利益は前年同期に比べて約3.7倍の過去最高益となる933億円だった。
新型デミオが2014年の「カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」を獲得したのは記憶に新しい。が、マツダは早くも次の新型車を送り出してくる。11月のロサンゼルス・オートショーでワールドプレミアとなったコンパクトなクロスオーバーSUV「CX-3」だ。
モデル名から分かるように、世界でヒットしている同社のクロスオーバー「CX-5」の弟分に当たるモデルだが、その姿を見れば単なるCX-5のサイズダウン版ではないことに気付く。マツダが推進してきた“魂動”デザインとの連携は見事に継承しながら、コンパクトなSUVとしてスポーティな造形となった。エッジの効いたサイドビューやリアエンドは、CX-5とは違うシャープな印象が漂う。なかでもサイドビューはAピラー以外のピラーをブラックアウトとし、グリーンハウスからルーフが浮いているようにみえる造作は見事。顔付きも間違いなくマツダ車を感じさせながら、CX-5やアテンザ、アクセラと異なる印象を与える。
ボディサイズは全長×全幅×全高4275×1765×1550mm、ホイールベース2570mmで、CX-5よりも265mm短く、75mm狭い。が、デミオをベースとしながら立派な3ナンバーサイズとなった。この辺りのサイズ感は、ホンダ・フィットとヴェゼルの関係と同じだろう。CX-3の寸法の美点は、SUVにありがちな無闇に“偉そうな車高”とはせず、都内のインフラとして多い「立体駐車場」の全高制限1550mmに抑えたことだ。SUVらしさをデザインで訴求しながら、全高を抑えたことでCX-3の都心での機動力は大きくアップするはずだ。表参道ヒルズの立駐に問題なく入庫できる。
エンジンを含むパワートレーンは言わずもがなの「SKYACTIVE」技術が全面的に投入されている。どうやら日本国内向けのエンジンは1.5リッターディーゼルだけの設定となりそう。SKYACTIVEディーゼルエンジンの走りと環境性能をそっくりデミオから受け継ぐ。駆動方式は前輪駆動と新世代アクティブトルクコントロール・カップリング方式の4WDがラインアップされる予定だ。走りにこだわるマツダ車らしく6速オートマティックに加えて6速マニュアルトランスミッション搭載車も用意する。
新型マツダCX-3、発売が待たれるモデルだ。が、2015年のマツダには、もうひとつ“とびきりのモデル”が控えている。新型ロードスターだ。1.5リッターガソリンエンジンをスープアップしてフロントミッドシップに搭載する、まさに「ライトウエイト2座スポーツ」、非常に楽しみな一台といえる。(編集担当:吉田恒)