【村山貢司の気象&経済歳時記】経済には政治、エネルギー、為替等のリスクがつきもの、近年は気象のリスクも定番化

2015年1月5日 13:40

■平成27年も穏やかな気象は期待薄、エルニーニョが発生の兆し、4月以降に影響

 年末年始は寒気の影響で北日本や日本海側で大荒れの天気になり、京都では積雪が20cmを超えて60年ぶりの大雪になった。交通機関も乱れ帰省客だけではなく物流にも障害が発生した。平成26年は異常気象の連続であったが、近年は異常気象が当たり前になり、しかも異常の規模が拡大している。

 平成27年は穏やかな天候になってほしいが、それも難しいようである。原因はエルニーニョが発生しつつあることで、春以降に影響が大きくなりそうだ。現在の寒さは1月中旬以降にはいったん弱まるが、春は天候が不順になり、梅雨は長引く可能性が高い。夏はいったん猛暑になるが、8月以降は平成26年と同様に大雨や台風など大きな気象災害が発生しやすいだろう。

 経済には政治的なリスク、為替やエネルギー価格などのリスクがつきものだが、近年はこれに加えて気象のリスクも織り込んでおく必要が出てきている。特に流通関係や農業では異常気象による不作や物流の障害などが問題になる。気象情報の適切な利用が必要であろう。リスクが大きくなりそうな場合は農業保険や天候デリバティブを利用することも考えておかなければならない。(気象予報士・山岳ツアーガイド・経済評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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