2014年もアップルは話題を提供してくれた iPhone6から横浜進出まで
2015年1月1日 22:37
2014年のアップルは幾つもの話題を提供してくれた。2014年3月、米アップルがiPhoneをカーナビ・システムで利用する新システム「Car Play」をジュネーブ・ショーで発表した。LightningケーブルでナビシステムにiPhoneつないで、音声アシスタント「Siri」を使って地図を検索できるようになる。国内メーカーではトヨタ、ホンダ、日産、など主要メーカーが対応する。パイオニア、アルパインもナビメーカーとして「Car Play」対応に積極的だ。
5月には、ヘッドフォンや音楽配信サービスのBeats Musicで知られるBeatsを総額30億ドルで買収。現在、BeatsのヘッドフォンやスピーカーがApple Storeで購入できるが、今後は音楽配信で新たなサービスが開始されるのではないかとも予想される。
2014年6月2日に開催されたWWDC 2014において、iOS 8とOS X Yosemiteを発表。iOS 8とOS X Yosemiteの機能連携機能が強化され、アップルユーザーにとって嬉しいアップデートとなった。
9月に今年最大の話題となる、iPhone 6/6 Plus/Apple Watchが発表され、iPhone 6/6 Plusの発売がスタート。同時にiOS 8がリリースされた。一部でiPhoen 6 plusのサイズが大きすぎ「曲がりやすい」とニュースにもなったが、販売には全く影響がなくiPhone人気の高さが鮮明になった。iPhone 6シリーズは好調に売上をのばしており、2014年第4四半期(10月?12月)の予想では、iPhone全体で7150万台が販売されるとしている。
そして、12月に突如として安倍晋三首相が選挙演説でリークした、「米アップル・コンピュータが来春にも横浜市に技術開発拠点を設ける」と発言。12月9日、アップルは横浜に研究開発拠点「テクニカル・デベロップメント・センター」を新設することを明らかにした。アップルは、センター設立で「日本での事業がさらに拡大されることをうれしく思う。数多くの雇用創出にもつながる」とのコメントを出した。ただ、センターの開設時期や具体的な研究内容などについては、まだ明らかにできないとしている。
アップルはこれまで開発機能を米国に集中させてきた。が、ここへ来て、なぜ日本を選択したのか。アップルは多くを語らない。ただし、浮かび上がってくるキーワードはある。「健康」だ。高齢化という分野で「先進国の日本」は、課題も多く得るものも多いとみているようだ。事業急拡大で変容する日本の部品メーカーとの関係を改善する狙いもありそうだ。
今回のアップルの横浜進出は、異例の展開だった。が、アップルはすでに神奈川県で健康関連の連携策を進めている。神奈川県はこの10月から個人の血圧や血糖値といった大量データを産官学で蓄積し、新たな健康関連サービス創出につなげるプロジェクトを開始させた。日立製作所、富士通、タニタなどと共にアップルもその推進組織に名を連ねているのだ。さらに、みなとみらい地区は「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区」がある。グローバル企業による健康関連産業の創出などを目標とし、今後の規制緩和が期待されている。
2015年、アップルは健康管理機能がついた腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」を発売する。健康管理分野サービスを展開する足がかりを横浜に設立するようだ。高齢化が進む日本で新たなイノベーションを創出する構えだ。数ある候補地のなかから、アップルは横浜を選んだ。
2015年春までには「Apple Watch」が発売されることは確定している。が、その他に12インチの「iPad Air Plus」と12インチのRetinaディスプレイを搭載した完全新設計の「MacBook Air」が発売されると噂されている。さらに、インテルのBroadwellプロセッサの出荷が始まり、その新プロセッサを搭載した「MacBook Pro」シリーズが発売されると予想されている。MACユーザーには楽しみな年になりそうだ。(編集担当:吉田恒)