企業での女性登用や待遇にはいまだ格差が=東京商工リサーチ

2014年12月31日 13:04

 東京商工リサーチでは全国の企業を対象に「女性就業に関するアンケート」を実施し、25日にその結果を発表した。それによると、女性管理職の比率が3割を達成している企業は6.9%にとどまり、約8割の企業が10%未満だった。また、大企業と中小企業では女性管理職の登用への取り組みについては、「とくに何もしていない」が中小企業で約半数(構成比48.8%)を占めるなど、企業規模により女性登用や待遇に格差が大きい現実が浮き彫りになったとしている。

 全体では女性従業員の比率は、「10%以上30%未満」が1,384社(構成比45.9%)で最多だった。次いで、「30%以上50%未満」が660社(同21.9%)、「10%未満」が483社(同16.0%)と続き、「30%未満」が1,867社(同61.9%)と全体の約6割を占めた。大企業と中小企業では、女性従業員が「30%未満」は大企業(構成比64.7%)と中小企業(同61.6%)で、大きな開きはなかったという。

 今後の従業員の男女構成比率については、全体では「とくに考えていない」が1,993社(構成比66.1%)で最多だった。次いで、「女性比率を増やしたい」が792社(同26.3%)、「男性比率を増やしたい」が227社(同7.5%)の順となった。女性を増やしたい企業が男性を増やしたい企業の3倍以上で、積極的に女性採用を進めようとする機運は見受けられるという。

 規模別では、大企業(同31.4%)が中小企業(同25.7%)を5.7ポイント上回り、女性を増やす意向が強い。ただ、「女性比率を考えるのではなく、適材適所で採用している」や「男女を意識していない」など、人物本位の採用意向を示す企業もみられたとしている。

 他方、女性管理職の割合が「10%未満」が全体では2,304社(構成比76.4%)で、約8割を占め最多だった。次いで、「10%以上30%未満」が503社(同16.7%)、「30%以上50%未満」が106社(同3.5%)、「50%以上」が101社(同3.4%)の順。政府目標である女性管理職3割以上は207社(同6.9%)にとどまった。また、女性管理職の割合が「10%未満」は、大企業が258社(構成比82.7%)、中小企業は2,046社(同75.7%)で、従業員数の多い大企業ほど女性の昇進ハードルが高いことがうかがえるとしている。

関連記事

最新記事