子どもや孫に「就職してほしい企業」、1位はトヨタで上位にGoogleも
2014年12月30日 15:56
グローバル化やIT化の進展などで、企業社会はめまぐるしく変化している。多くの業務が新興国へとアウトソーシングされ、内需は先細り。「安定した仕事」は限られてくるとの見方も目立つ。そんな中、子どもや孫に「将来、就職してほしい企業」の顔ぶれに変化はあるのだろうか。
与信管理サービスのリスクモンスター株式会社の調査では、「お子さん・お孫さんに勤めてほしい企業」の1位は「トヨタ自動車」(11.1%)、2位は「全日本空輸(ANA)」、以下「三菱東京UFJ銀行」、同率で「資生堂」、「三菱商事」までがトップ5となった。トップ20の業種は「製造業」が9社と最多を占めた(2014年12月25日公表)。
調査は全国に住む、未成年の「子ども」「孫」がいる20~69 歳の男女800人対象に、ウェブアンケートで実施。男女年代は均等割り付けされている。全体としては、古くからある日本の大企業に票が集まったが、父母を対象とした「お子さんに勤めてほしい企業」の顔ぶれには変化もある。1位は「全日本空輸(ANA)」(10%)、2位「トヨタ自動車」、3位「三菱東京 UFJ 銀行」だが、同率4位には「資生堂」、「日本航空(JAL)」、さらに「グーグル(Google)」もランクインした。経済の流行に敏感な感性を反映してか、上位20社中9社が前年と入れ替わった。
一方、祖父母世代の1位は「トヨタ自動車」(13.3%)、2位が「全日本空輸(ANA)」、3位「サントリー」、4位「三菱商事」、5位「三菱東京 UFJ 銀行」で、上位20 社中14社が前年に引き続き上位にランクイン。父母たちと比べて、祖父母世代は「歴史の長い安定した企業」や「財閥系」を評価する傾向が強い。
近年、社会状況は大きく変化している。12年にはジャーナリストの渡邉正裕氏が『10年後に食える仕事、食えない仕事』(東洋経済新報社)を出版して話題となった。人口減少で内需は先細り、「安定した仕事」は限られてくる。たとえばプログラマーなどは、新興国との競争が激化する一方、会計士やトレーダーなど、一握りの「グローバルエリート」も生まれるという。わが子や孫の未来を願う心には、こうしたグローバルな変化を反映する向きも見られるが、やはり「日本の大企業ブランド」への憧れは強いといえそうだ。(編集担当:北条かや)