【特報】中国市場を足場に、世界市場を狙え!(3)
2014年12月25日 14:34
【12月25日、さくらフィナンシャルニュース=東京】
■軌道に乗るまではイバラの道
「本気で海外取引を行うという気持ちと決断、そして海外取引の準備を出来る限り完璧に行って商談に挑めば、必ず成功できる。たとえ初めは上手くいかなくても、決して諦めないことが肝心なのです」
そう、葉錦明(ヨウ・キンメイ)FOREVER株式会社(東京都千代田区)の共同代表および福州福愛華信息科技有限公司(福建省)代表は力をこめる。
葉自身、工芸品の会社を軌道に乗せるまで4年近くかかっている。
事業が軌道に乗った最大の要因は、広州交易会に出展したことだが、07年の開業時から約2年間は思うように商談がまとまらず、苦しい時代が続いたという。
帰国した葉が、最初に行ったのは、鋳造製品の下請け会社を立ち上げることだった。オリジナル性の高い工芸品分野市場に乗り入れるための、いわば下準備だ。
自分で工場を持つところまでこぎつけ、福建省福州市明榕工芸品有限公司として、工芸品全般の生産メーカーとして事業を再スタートできたのは、2007年のことだ。
■成功する出展・商談ポイントをつかむ
だが、人脈(コネクション)がビジネスを大きく左右するお国柄もあって、販路開拓は厳しく、
「このままでは、会社も守れないかもしれない・・」
というところまで一時期は思い詰められたという。
見かねた友人が紹介してくれたのが、「広州交易会」だった。出展により、海外からの商談話がいくつか舞い込んできた。葉は友人に前もって商談会のポイントをリサーチし、想定問答や見積書などを準備して商談に臨んだ結果が良かったという。
「おかげで、受注を幾つかとることができた。販売先拡大のメドがついたことで、本当に安心したし、嬉しかった」
その時の出来事をこのように振り返る。
とはいえ、トントン拍子に進まないのが世の常だ。あと一歩というところで「破談」になったこともあれば、相手の「真剣度」が見極めきれずに失敗した事例もたくさんあった。
だが、この経験は葉にとって大きな財産となる。「成功する出展・商談のポイント」を自分の肌感覚でつかむことが出来たからだ。
■中国から日本の良いモノとサービスを発信
今では、国内よりも海外からの注文の方がむしろ多いと言う。
葉の言う「成功の秘訣」は大きくふたつある。ひとつは、海外バイヤーにわかり易い英語のカタログや価格表(FOB/CIF)などの入念な準備を怠らないこと。もうひとつは、本気の商談の場だと理解して、決裁権・決定権を持つ者を現場に置くことなどだ。
葉の蓄積したノウハウをベースに出展を希望する企業の戦略やフォローアップは、FOREVER株式会社日本法人(東京都千代田区)が全面的にバックアップするという。
たったひとりで起業した葉だが、今や国内外で経営する会社は5つに増えた。大きく前進できた最大のきっかけは、広州交易会で世界中に販路を開拓できたからだと自信を持って話す。
07年にスタートした福建省福州市明榕工芸品有限公司も、今では社員2000人規模の会社にまで成長している。
「6年近い日本での生活で、日本のサービスやモノづくりの素晴らしさについては、じゅうぶん理解しているつもりです。海外で通用するモノやサービスを持つ日本の中小企業を世界に発信するお手伝いがしたい」
それが、自分を育ててくれた日本への恩返しだと考えているという。(企画・制作 さくらフィナンシャルニュース)【了】
中国市場を足場に世界市場を狙え〈2〉(http://www.sakurafinancialnews.com/news/9999/20141219_3)
問い合わせ先:
FOREVER株式会社(http://www.forever-japan.com/)
春の出展希望者は1月15日まで申し込み可能。