GPL違反による「被害」、救済策は?

2014年12月23日 22:15

GPLv2に違反した場合の判例は非常に少なく、最も重要な条項のほとんどについては実質的に判例がないという。Versata SoftwareとAmeriprise Financialなどの間で争われている関連する5つの訴訟で 1) GPLv2違反の被害者に対する救済策は何か、2) GPLv2において責任の生ずる「配布」とは何か、3) GPLv2は特許のライセンスを含むか、4)プロプライエタリーコードとGPLv2コードをどのような形で統合すると「派生著作物」となり、プロプライエタリーコードがGPLv2の支配下に置かれるのかといった点について裁判所の判断がでる可能性があるとのこと(OpenSource.comの記事本家/.)。

訴訟のいきさつとしては、初めにVersataがAmeripriseにライセンスしたDistribution Channel Management(DCM)ソフトウェアの修正をめぐり、ライセンス違反や著作権侵害があったとしてVersataがAmeripriseなどを提訴。一方、DCMにはGPLv2でライセンスされるXimpleWareのVTD-XMLソフトウェアが含まれていることに気付いたAmeriprise(Versataは気付いていなかったという)は、DCMがVTD-XMLの派生著作物になるとしてGPLv2で公開し、ソースコードを渡すように求めてVersataを提訴。AmeripriseはXimpleWareにもこの件を知らせたことから、XimpleWareがVersataとAmeriprise、両社の顧客などを相手取り、著作権侵害と特許権侵害で2件の訴訟を提起することとなる。

(続く...)XimpleWareが提起した2件の訴訟は11月25日に一部の判決が出ている。著作権侵害についてはVersataがVTD-XMLを含まないDCMソフトウェアを顧客に配布しており、XimpleWare側に回復不可能な損害が認められないとして、DCMソフトウェアに関する事前差し止め要求を却下。2015年2月28日までにすべての顧客が新しいDCMソフトウェアを使用しているという証拠を提出するよう命じるにとどまった。ただし、著作権侵害とGPLv2違反によるXimpleWareの損害額に関してはまだ判断が出されていないという。

特許権侵害については5月にVersataとAmeripriseを除くVersataの顧客が外部にDCMソフトウェアを配布した証拠がないとして、これらの顧客による直接的な特許権侵害があったとするXimpleWareの主張が却下されている。GPLv2ではソフトウェアの使用が認められており、使用する権利には暗黙的に特許のライセンスも含まれるため、外部への配布をしなければ特許権侵害にはならないという判断だという。11月25日にも同様の判断が出されているが、外部の利益のためにソフトウェアを使用することがGPLv2に違反、GPLv2はユーザーに特許のライセンスを認めていない、といったXimpleWareの主張は却下されたとのことだ。 スラッシュドットのコメントを読む | オープンソースセクション | オープンソース | 法廷 | パテント | 著作権 | アメリカ合衆国

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