4人に1人が「ブラック企業だと思う」 劣悪労働環境は違法
2014年12月22日 12:33
日本労働組合総連合会(連合、古賀伸明会長)は、「ブラック企業に関する調査」を実施。「自分の勤務先はブラック企業だと思う」と答えた人は4人に1人の割合であることが分かった。調査は2014年11月1日~11月6日にインターネットを利用して実施され、20歳~59歳の被雇用者3,000名(男性1,500名、女性1,500名)の回答を集計した。
現在の勤務先について満足度を訪ねると、「どちらかといえば満足」と答えた人が41.9%と最も多くを占めた。「満足」という回答は14.1%で、合計すると56.0%の人が現在の勤務先について肯定的に捉えていることが分かる。反対に、「どちらかといえば不満」は29.6%となり、「不満」の14.4%を合わせると、44.0%が勤務先に対し不満を抱えている。
また、勤務先が「ブラック企業だと思うか」と尋ねる質問には、「ブラック企業だと思わない」が47.0%と最多の回答となったが、反面、「どちらかといえばブラック企業だと思う」が18.7%、「ブラック企業だと思う」が8.2%となり、合計で26.9%の人が自分の勤務先をブラック企業だと思いながら働いているという結果となった。ブラック企業だと思うと答えた人を世代別でみた場合、20代が最も多く32.7%、30代で30.5%、40代で25.9%、50代は18.6%となった。若い世代の方が勤務先をブラック企業と捉えていることが多いようだ。
ブラック企業だと思う根拠を尋ねたところ、「長時間労働が当たり前になっている」が52.2%で最も多かった。続いて「仕事に見合わない低賃金」が46.3%、「有給休暇が取得できない」が37.4%、「賃金不払い残業が当たり前」が33.5%、「上司・上層部のコンプライアンス意識が低い」が29.5%、「パワハラ・職場いじめが行われている」が25.6%、「休憩時間が取得できない」が22.6%の順となった。
長時間労働やサービス残業を強要されるなど、ブラック企業は社会の中でも大きな問題として取り上げられている。過労やうつ病、精神的ストレスなど、心身ともに疲弊してしまう労働者も多い。劣悪な労働条件は違法であると企業側にしっかりと受け止めさせ、労働者の権利を確保することは急務の課題だろう。(編集担当:久保田雄城)