【高見沢健のマーケット&銘柄ウォッチ】年明け以降、原油安が長引けばロシア危機再燃

2014年12月19日 12:13

 原油価格の急落を契機に投資マネーのリスク回避が強まっている。ロシア・ルーブルの大幅下落がブラジル・レアルや豪ドルなど資源国通貨やインドネシア・ルピアなどの新興国通貨の下げにも波及。

 株式市場ではエネルギー関連株の下げが、また債券市場では低格付けで利回りの高いハイイールド債の下げが加速している。

 ルーブルの急落を背景に、金融市場の一部では石油大手ロスネフチに資金繰り懸念が発生し、欧米の金融関連に信用不安が広がるリスクも意識されている。

 1997~98年にかけてアジア通貨危機がルーブルに波及し、ロシア危機から米国のLTCMが破綻に至ったケースが想起されるが、現在、ロシアの国家機関と中央銀行の対外債務はトータルでGDPの4%未満にとどまっているだけに、直ちに欧米に信用不安が連鎖するリスクは小さいと言えよう。

 ただ、年明け以降も原油安が長引く場合には、ルーブルの動向と共に注意深く見極める必要があろう。(証券ジャーナリスト)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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