出版を変えるのはネットだけではない 文藝春秋よりセブン-イレブン限定の雑誌が発売

2014年12月18日 17:24

 インターネットの登場で、出版の在り方が大きく変わった。メディアの形態は紙媒体からWeb媒体へと変わり、その変革についていけないメディアは衰退していった。ところが、出版を変えるのはインターネットだけではなかった。コンビニの雄セブン-イレブンが出版の在り方を大きく変える取り組みを始めた。

 セブン-イレブン・ジャパンは16日、文藝春秋よりセブン-イレブン限定商品として、元旦販売用雑誌を全国のセブン-イレブン店舗(11月末現在 1万7,177店)で初めて発売すると発表した。

 元旦に発売される雑誌の概要は、文芸春秋の「週刊文春 お正月スペシャル号 丸ごと 1 冊タンマ君」で、定 価 は350円(税込)。ページ数は192ページ(通常号とほぼ同ページ)で、発行部数は約10万部である。1店あたり約5~6 冊の配本を予定している。この商品は、セブン&アイグループのネット通販サイト「セブンネットショッピング」でも取扱うとしている。

 この取り組みは、出版業界初の取り組みとして出版取次大手のトーハン、文藝春秋と協力して行う新しい出版の在り方ともいうべきもの。もともと、出版物には休配日が設けられており、出版業界は、年末に増刊号や臨時号等として出版物を発行する慣習がある。

 一方、24時間365日営業しているセブン-イレブンは、いつでも、新鮮で、新しい商品の品揃えをすることがコンビニエンスストアとしての使命であると考えている。この考え方から出版物もそのひとつであるとし、新たな取り組みとなった。今後は、他の休配日配送や、他社との取り組みを拡大し、新しいコンセプトの雑誌売場を提供していくとしている。

 今回、注目されるのは出版業界の休日や休配日といった慣習を打ち崩したことである。今や1年365日24時間、どこでも情報が手に入る時代になったが、そのほとんどはネットを介してのものだ。しかし。これからは紙媒体にもそういう時代が来るかもしれない。存亡の危機が叫ばれる紙媒体であるが、生き残るヒントは案外今回のようなところにあるかもしれない。(編集担当:慶尾六郎)

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