地球上に存在する水は小惑星由来の可能性が高い?

2014年12月16日 11:00

あるAnonymous Coward 曰く、 欧州宇宙機関の彗星探査機ロゼッタは、先月、実験用着陸機「フィラエ(Philae)」を67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に降下させて着陸探査を実施した。そして67Pに存在する水や他の気体の化学的特徴を示すスペクトルを観測した結果、その特性が地球上の水と大きく異なっていることが判明したという(BBCAFPBBニュースSlashdot)。

 地球上の水の由来は明らかにはなっておらず、隕石によるもの、彗星によるものといった複数の意見があるが、ロゼッタの質量分析計の主任研究員、スイス・ベルン大学キャスリン・アルトウェッグ教授は小惑星によってもたらされた可能性の方が彗星より高いと考えているという。その理由として、小惑星の方が彗星よりも数が多く、地球にも近い場所にあるためだともしている。ただし、一部の研究者は、今回の調査だけで彗星起源論を除外するのは時期尚早だと指摘する。複数のカイパーベルト由来の彗星を調査し、平均したデータから考えるべきだろうとしている。

 なお、ハーシェル宇宙望遠鏡がカイパーベルトを起源とするハートレー彗星(103P)を観察した結果では、水の水素同位体比が地球の海の値と非常に近いとされている(AstroArts)。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | 地球 | 宇宙

 関連ストーリー:
福井・水月湖の湖底から採取した堆積物から、5万年前までの放射性炭素量の記録が作成される 2012年10月21日
最初の生命は陸地で生まれた? 2012年02月17日
NASAの火星探査機が雪を観測 2008年10月03日

 

関連記事

最新記事