住友化学、ディーゼルエンジン車用すす除去フィルターが自動車メーカーに採用決定 ポーランド子会社で生産

2014年12月15日 20:50

 住友化学は15日、同社のチタン酸アルミニウム製ディーゼルエンジン車用すす除去フィルター「ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)」(商標名「Sumipure」)が、自動車メーカーの乗用車向けに初めて使用されることが決定したと発表した。採用されたDPFは、同社100%子会社の住化セラミックスポーランド社で生産され、来年から順次出荷される。

 環境問題に対する世界的な意識の高まりから、近年、各国で排ガス規制が強化されている。なかでも欧州は、世界で最も厳しい規制の一つである「Euro6」が今年9月から導入され、ディーゼルエンジン乗用車にDPFの標準装備が義務付けられた。今後、商用車やオフロード車にも対象車種が拡大される見込みである。このような背景のもと、DPFは今後さらなる市場の拡大が予想され、性能向上に対するニーズも一段と高まっている。

 住友化学のDPFは、アルミナ製品等の無機材料事業で培ってきた技術を生かして開発したもので、材料にチタン酸アルミニウムを採用しており、自動車などの内燃機関から排出されるすすの耐熱衝撃性や連続で捕集できる限界堆積量に優れているのが特徴。

 同社は、すすだけでなく、窒素酸化物を除去する機能を付与したDPFやガソリンエンジン車用パティキュレート・フィルターのサンプル供給も開始しており、事業のさらなる拡大を目指す。(記事:宮野 浩・記事一覧を見る

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