ISRO、新型ロケットGSLV Mk-IIIを12月第3週に打ち上げると発表

2014年12月12日 22:46

 インド宇宙研究機関(ISRO)は12月11日、開発中の新型ロケットGSLV Mk-IIIの試験機を、12月第3週に打ち上げると発表した。それに合わせてウェブサイトではロケットの写真と、ロケットに搭載されて打ち上げられる有人宇宙船の試験機CAREの写真も公開された。

 GSLV Mk-IIIは、Mk-IIIという名前ではあるものの、現在運用中のGSLV Mk-IIとはまったく異なる新型の機体だ。インドのロケットの中ではもっとも強力なロケットで、静止トランスファー軌道に4tの打ち上げ能力を持ち、同国の主力ロケットとして、商業衛星や惑星探査機、そして有人宇宙船の打ち上げに使うことが計画されている。

 ロケットは両脇に固体ロケット、中心に液体ロケットを装備する構成で、見た目はH-IIAロケットやアリアン5ロケットなどと変わらないが、実は両脇こそが第1段で、この固体ロケット部分のみで離昇する。そして中心の第2段(他のロケットであれば第1段に相当する部分)は空中で点火される。

 第2段は非対称ジメチルヒドラジンと四酸化二窒素を使うヴィカス・エンジンを2基持つ。ヴィカスはPSLVやGSLV、GSLV Mk-IIで使用されているが、2基束ねて使われるのは初めてとなる。その上には液体酸素と液体水素を使う第3段が載る。

 今回の初打ち上げでは、第3段は同じ寸法、同じ質量の模造品が搭載される。したがって地球を回る軌道には乗らないサブオービタル飛行になる。

 またロケットの先端には、ISROが開発中の有人宇宙船の試験機CAREが搭載される。CAREはCrew Module Atmospheric Re-entry Experimentの頭文字から名付けられており、直訳すると「乗員モジュールの大気圏再突入の実験」という意味になる。

 CAREは打ち上げ後、高度126kmで分離され、そのまま落下して大気圏に再突入し、3つのパラシュートを展開して着水する。着水地点はインドのポートブレア沖約600kmの、ベンガル湾内に予定されている。ロケットの離昇からカプセルの着水までの総飛行時間は17分間とのことだ。

 今回の試験の結果によっても変わるだろうが、現段階では、GSLV Mk-IIIの軌道飛行は2016年に行われる見通しだ。

■Welcome To Indian Space Research Organisation - Home Page
http://www.isro.gov.in/index.aspx

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