パナソニック、スマホにかざすだけで利用可能な「光ID」可視光通信技術を開発

2014年12月12日 11:34

 パナソニックは11日、LED光源を高速点滅させることでさまざまな情報を送ることができる可視光通信技術を発展させ、その光源から発信されるさまざまな情報を搭載したID信号を、スマートフォン搭載のイメージセンサーと専用アプリを用いて高速受信する技術を独自に開発したと発表した。

 従来の可視光通信方式を利用した光IDをスマートフォンを用いて読み取るためには、専用の受光器をスマートフォンに装着して用いなければならない、低速でしかデータ送受信を行えない、などの制約条件があった。同社が開発した独自方式技術を利用すると、スマートフォンに専用のアプリケーションソフトをインストールするだけで、スマートフォンと光IDの発信機器の間での光ID送受信が可能になる。また、従来技術の数百倍の通信速度で光IDを高速送受信することが可能だという。

 QRコードやARマーカーなどの画像読み取り方式とは異なり、受信時に読み取り位置を合わせたり複雑な画像を認識処理したりする手間が不要である。このため、人混みのなかで対象のコードに近づかなくても離れたところから、起動したスマートフォンのカメラをLED光源またはその光源で照らされた対象物にかざすだけで光IDをすばやく受信することができる。

 また、Bluetoothや超音波などを用いた情報送信方式のように、電波干渉・音波干渉を考慮する必要がないため、隣接する場所において複数の光ID発信器を設置し、多様な情報を提供することが可能である。

 パナソニックは、この技術を用いた「光ID発信機器」を2015年度に商品化する計画である。また、実用化に向け、三越伊勢丹や伊勢丹新宿本店で、一部のユーザー向けにこの光IDを用いた情報提供サービスの試行体験会を実施する予定だ。

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