NYの視点:米JOLTは過去14年間で2番目の高水準
2014年12月10日 07:01
*07:03JST NYの視点:米JOLTは過去14年間で2番目の高水準
米国の連邦準備制度理事会(FRB)は今月16-17日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)で、フォワードガイダンス「異例な低金利を「相当な期間」維持する」の「相当な期間」の文言を削除することを協議することになる。一部高官はメンバーが今回の会合において真剣にフォワードガイダンスの変更を検討することを示唆したという。米ウォールストリートジャーナル紙のインタビューで明らかにした。フィッシャー米FRB副議長も先週の講演で、「数か月前に比べて「相当な期間」の文言の削除に近づいたのは明らかだ」と述べている。
一方で、2014年の投票権は保有していないがハト派として知られるロックハート・アトランタ連銀総裁は「フォワードガイダンスでの「相当の期間」の文言削除を急ぐ必要はない」「インフレが横ばいなら、利上げは確定ではない」との見解を維持している。メンバーの見解の相違も依然大きく、協議が難航することが予想される。
米労働省が発表したJOLT求人件数の10月分は483.4万件。過去14年間で最高となった8月に続き2番目に高水準を記録した。米労働省が先週末に発表した11月の雇用統計と同様、労働市場のたるみ(Slack)が解消されている証拠となった。ただ、イエレンFRB議長がたるみを見極める上で使用している9つの指標で構成されているダッシュボードの中では危機前の水準に回復した指標は依然3つに限られている。また、その中でも議長が特に注目している退職率(Quits rate)は1.9%と9月の2.0%から小幅低下するなど、労働市場の改善はかなり遅いペースとなっている。退職率の上昇は労働者が雇用市場への自信を強めた証拠となる。《KO》