【中国の視点】ロシアがデフォルトなら世界に与える影響は?

2014年12月9日 08:01


*08:01JST 【中国の視点】ロシアがデフォルトなら世界に与える影響は?
ロシアの通貨ルーブルが米ドルに対して年初から40%近く下落している。原油価格の急落に伴い、ロシアが1998年に起きたデフォルト(債務不履行)を再演するとの懸念が高まっている。原油価格はすでにロシアの財政収支均衡の下限(1バレルあたり90米ドル)を大幅に割り込んでいることが背景にある。

ロシアがデフォルトに陥った場合、世界経済に与える影響について、最も被害を受けるのはウクライナだと指摘された。ウクライナのほか、東欧の国々も深刻な悪影響を受けると予測されている。また、ロシアが欧州向けの天然ガスの輸出を中断した場合、停滞する欧州経済が一段と減速すると分析された。ユーロ圏の景気低迷がすでにドイツに深刻な影響を与えているため、ロシアがデフォルトに陥った場合、ドイツが景気後退入りの可能性も否定できないと懸念されている。

一方、ロシアの国内総生産(GDP)が全世界の3%にとどまり、海外の銀行がロシア企業などへの貸出残高は2090億米ドルになると試算されている。欧州などの機関投資家がぜい弱でない上、ロシア国内などからの資金を引き揚げる時間が残されており、ロシアのデフォルトが世界経済に与える影響が限定的だとのポジティブな見方も出ている。

ただ、1998年の時にも同じような楽観的な見方が出ていたが、結局世界経済に与える悪影響が予想以上に拡大。また、現在の金融取引が複雑である上、レバレッジが高いため、ロシアがデフォルトに陥った場合、世界経済に与える影響が正確に計算できないと警告された。なお、1997年に起きたアジア通貨危機に加え、ロシアが翌年にデフォルトを宣言。多くの海外機関投資家は新興市場からの資金撤退を余儀なくされた。《ZN》

関連記事

最新記事