日立オート、メルセデス・ベンツ初のプラグインハイブリッド車向けインバーターとDC/DCコンバーター納入

2014年12月4日 12:21

 日立オートモティブシステムズは3日、ダイムラーAGより今秋に欧州、今月に国内でそれぞれ発売開始されたメルセデス・ベンツ初のプラグインハイブリッド車であるS500プラグインハイブリッドおよびS550プラグインハイブリッドロング向けに、小型・高出力なインバーターとDC/DCコンバーターの納入を開始したと発表した。

 今回、日立オートモティブシステムズの第2世代製品と比べ、およそ40%小型・高出力化した第3世代のインバーターと最大効率94%を達成した高出力DC/DCコンバーターを開発した。これらの電動化車両の基幹部品が、積極的な電動化車両の展開を打ち出しているダイムラーに評価され、メルセデス・ベンツとしては初となるプラグインハイブリッド車に採用されたという。

 インバーターの小型・高出力化を実現するためには、発熱の大きいパワー半導体が多数集積されるパワーモジュールの放熱性能の向上が不可欠だ。第2世代製品では、放熱性向上の妨げとなっていた放熱グリースを削除した直接冷却型のパワーモジュールを開発した。さらに第3世代製品では、従来の半導体の片面を冷却する構造から、半導体の両面を冷却する構造に変更した直接水冷型両面冷却パワーモジュールを開発した。このパワーモジュールを冷却水に浸漬させる独自の冷却構造を採用することで、第2世代製品と比べ放熱性能を35%向上させることに成功し、インバーターにおける40%の小型・高出力化を達成した。

 また、DC/DCコンバーターは、独自のアクティブクランプ回路の搭載と、さらに発熱の大きいトランスやチョークコイルの低損失・高放熱構造を採用することで、最大効率94%を達成した。

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