トヨタが「若返り戦略」、新型「クラウン」の投入で中国の若年層狙う
2014年12月4日 08:44
*08:44JST トヨタが「若返り戦略」、新型「クラウン」の投入で中国の若年層狙う
トヨタ自動車<7203>は中国事業で、若年消費者を取り込むための「若返り戦略」を推進している。今年の広州モーターショーで発表したした14代目「クラウン」の中国現地生産車には、若者世代を意識したさまざまなデザインチェンジが施された。2.0Lターボ搭載モデルを新たに加えるなど、小排気量化も実現。ミドルセダン市場にもターゲットを広げている。若い世代に強く訴求することで、中国で販売シェアを拡大させたい意図が鮮明に示されたという。中国経済網が3日付で伝えた。
しかし、このターゲット層変更の動きについて、中国の専門家の間では、手厳しい声も一部にみられる。トヨタの最高級ブランド「レクサス」と若い消費者層の取り合いになる可能性があるため。「レクサス」は、IT関係の起業やネットビジネスで成功した「ニューリッチ」層をターゲットに置いている。ブランド力や性能面で上を行く「レクサス」と競合するような事態になれば、“本末転倒”になりかねないと指摘された。
そうかといって、値下げに踏み切ることも難しいという。価格をBセグメント車の水準にまで下げれば、今度は「カムリ」、「レイツ(マークX)」の市場を圧迫することになるからだ。
別の専門家は、「クラウンのターゲット層変更は、トヨタの全シリーズを“格下げ”する“ドミノ倒し”を引き起こす可能性もある」と懸念した。
【亜州IR】《ZN》