NYの視点:米利上げは2016年以降に先送り?
2014年12月4日 07:01
*07:04JST NYの視点:米利上げは2016年以降に先送り?
市場関係者の間では、日銀が導入した追加金融緩和について、通貨安を狙ったものであり、他の中央銀行が影響を受けることは避けられないとの見方が広がっているようだ。豪準備銀行は豪ドル相場について、商品価格の下落を考慮すると、豪ドルの水準は依然として高いとの見方を改めて表明した。
ホッキー豪財務相は3日、「最近の豪ドル安を大いに歓迎している」と述べており、豪ドル安の進行を容認している。欧州中央銀行は近いうちに量的緩和策の導入を決定する可能性がある。ユーロ安も容認している。スイス中央銀行はユーロ買い・スイスフラン売り介入を継続する見込みだ。中国人民銀行は11月21日に金融緩和策の導入(預金・貸出の金利引き下げ)を発表している。
米国以外の主要中央銀行は、金融緩和策や通貨安につながるトークダウンを繰り返しているが、この影響で米ドルは相対的に強くなっている。米国政府、米FRBはドル高や利上げを容認しているとの見方があるが、利上げによって金利が上昇した場合、政府の利払いコストは増加し、財政を圧迫する可能性がある。
その場合、歳出抑制の必要が生じるかもしれないが、ドル高や金利上昇に加えて、歳出が抑制された場合、景気悪化を招くことは避けられないとの声が聞かれている。2015年中に利上げが実施されるかどうか、少々怪しくなりつつある。《KO》