大塚製薬、米国アバニア社を買収 神経疾患分野の市場開拓を強化

2014年12月3日 18:13

 大塚ホールディングスは2日、子会社の大塚製薬が米国バイオベンチャー企業のアバニア社(カリフォルニア州)を買収すると発表した。アバニア社は、アルツハイマー型認知症などの中枢神経系治療薬を得意としており、精神系疾患領域を強みとする大塚製薬として、中枢領域全体での新薬や市場開拓力を強化できると判断した。

 アバニア社の買収は、株式公開買付けの形で行われ、買収額は約35億3,900万ドル(約4,200億円)である。

 アバニア社は1988年に設立され、従業員は約500人。治療薬は中枢神経疾患領域に集中しており、2011年には、世界で唯一の情動調節障害(自分の感情・情動をコントロールできなくなる神経疾患)の治療薬である「ニューデクスタ」を開発し、米国で発売した。また、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病、片頭痛やその他の中枢神経系治療薬の開発を行っている。現在、アバニア社は、アルツハイマー型認知症に伴う行動障害の治療をターゲットとして、臨床試験の最終段階に向けた準備を進めている。

 アバニア社の買収により、大塚製薬には、「ニューデクスタ」や、アルツハイマー型認知症治療を目的とした新薬開発が加わることになる。そのため同社では、精神疾患領域だけでなく、神経疾患を含めた中枢領域全体の治療薬の開発・市場力を強化できると期待している。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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