NYの視点:日本国債格下げ、将来的に利回り水準の大幅な上昇は不可避との声も

2014年12月2日 07:01


*07:04JST NYの視点:日本国債格下げ、将来的に利回り水準の大幅な上昇は不可避との声も

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1日、日本国債の格付け(外貨建て長期債務)を「Aa3」から「A1」に1段階引き下げると発表した。ムーディーズ社は格下げの理由として、日本国債の利回り上昇リスクの高まりなどが要因としている。成長促進策のタイミングと有効性に不確実性がある、財政赤字削減目標の達成で不確実性が高まっていると指摘した。

格付け見通しは安定的としたが、日本の政府債務の格付けは中国、韓国を1段階下回ることになった。日本国債10年の利回りは0.4%台で推移しており、格付けに見合う水準であるとは言い難い。日本国債の利回りが極めて低い水準にあるのは、日銀が大量の国債買い入れを行っているからだ。それゆえに、日銀が国債買い入れを減らした場合、債券利回りは大幅に上昇する可能性は高いと予想されている。金利上昇を抑えるために、日銀による国債買い入れは際限なく増加するとの懸念も浮上している。

市場関係者の間では、格付けに見合う水準まで長期債利回りがただちに上昇する可能性は低いとみられているが、将来的に日本国債の利回り水準が大幅に上昇することは避けられないとの声が聞かれている。《KO》

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