東芝、日本人ゲノム解析ツールを用いたゲノム解析サービスを開始
2014年12月1日 22:52
東芝は1日、大学、病院臨床部門、製薬企業などの研究機関向けに、日本人ゲノム解析ツール「ジャポニカアレイ」を用いたゲノム解析サービスを開始したと発表した。
ジャポニカアレイを用いたゲノム解析サービスは、同社のライフサイエンス解析センターで、研究機関から送付された血液、唾液、DNA検体などから個人のゲノム構造を解析するサービスである。疾病や習性等と遺伝子の因果関係を解明する研究機関向けに解析結果を提供する。
従来、次世代シーケンサーを用いて約30億塩基のゲノム構造を解析する場合、解析には1ヶ月以上の時間がかかっていた。また、スーパーコンピュータの使用、データ解析を行う専門の研究者などのインフラが必要なため、1人当たり50万円以上の解析費用が必要で、大規模なサンプルの解析を行うには莫大な時間と費用がかかっていた。新サービスは、日本人に特徴的な遺伝情報を短時間で解読可能なジャポニカアレイを活用することで、解析に約1週間、1人当たり1万9,800円(税抜)で提供する。
ジャポニカアレイは、東北大学東北メディカル・メガバンク機構が構築した「全ゲノムリファレンスパネル」を基に、COI東北拠点が社会実装した日本人ゲノム解析ツールである。日本人に特徴的な塩基配列を持つ約67万5,000万箇所の一塩基多型(SNP)を1枚のチップに搭載しており、短時間で日本人のゲノム構造を解析する。その解析結果から約30億塩基の全ゲノム構造を疑似的に再構成できる設計となっている。