国内化粧品市場の成長続く 男性の美意識高まりも
2014年11月26日 13:04
国内化粧品市場の拡大が続いている。矢野経済研究所によると、2013年度の国内化粧品市場規模(ブランドメーカー出荷金額ベース)は、前年度比101.3%の2兆3200億円で、2年連続で拡大した。人口減少や少子高齢化により、市場は成熟したと見る向きもあるが、メーカーはシニア層や男性をターゲットにした製品開発を行うことで、需要拡大に取り組んでいる。
化粧品は、規模の大きさ順に、「スキンケア」「メイクアップ」「ヘアケア」「男性用化粧品」「フレグランス」の5市場に分類される。出荷額の半数近くを占める「スキンケア市場」は、13年に前年度比101.1%の1兆710億円となった。カネボウの美白化粧品による白斑問題の影響が懸念されたが、市場全体に与える影響は微細なものにとどまった。背景には、「美白」ニーズの底堅さがある。また、化粧水から美容液までが「ワンステップでOK」とうたうオールインワンジェルや、美容液などのスペシャルケア製品が好調に推移したことから、前年度に引き続き拡大した。
「メイクアップ市場」は、前年度比101.7%の5099億円となった。ベースメイクに関しては、従来から好調に推移していたBBクリームに加え、BBクリームから進化した「CCクリーム」が市場を盛り上げた。
「ヘアケア市場」は、前年度比100.6%の4247億円だった。オイル配合やオーガニックを訴求したブランドの需要が高まり、洗い流さないトリートメントも好調だ。一方、2~3年前からブームだったノンシリコンシャンプーは競争が激化し、価格帯が1000円未満まで落ち込んでいる。
「男性化粧品市場」は、前年度比104.2%の1141億円となった。男性用化粧品は、全カテゴリー中で最も伸び率が高く、特にヘアケアとスキンケアの需要が拡大している。これまで、男性用化粧品といえば「洗顔料」が中心だったが、近年は男性の美容意識が高まっていることから、保湿やアンチエイジング効果をうたった化粧水やクリームが人気だ。男性のヘアケアへの意識も高まり、地肌ケアやスカルプケアを訴求したシャンプー・リンスが好調に推移している。内需が縮小する中、メーカー各社は人々の「美」に関するニーズを、あの手この手で掘り起こして、売上増を図る。(編集担当:北条かや)