(中国)南シナ海で1000万トン級油田開発へ、エネルギー安全保障に注力

2014年11月24日 09:29


*09:29JST (中国)南シナ海で1000万トン級油田開発へ、エネルギー安全保障に注力
中国は南シナ海での石油開発を強化する。国務院(内閣に相当)は19日、「エネルギー発展戦略行動計画(2014~20年)」を発表。国のエネルギー戦略における最大の任務として、「エネルギーの安全保障」を挙げた。具体的には、既存の大慶油田や勝利油田などに加え、南シナ海に1000万トン級の大型油田を建設する計画を打ち出している。地元メディアが伝えた。
国際エネルギー機関(IEA)のリポートによると、中国は20年ごろに世界最大の石油輸入国となる見通し。30年には米国を追い抜き、世界最大の石油消費国となる見込みだ。また、中国の原油輸入依存度は13年時点で57.4%と、国際的な警戒ラインとされる50%を突破。30年には70%を超えると予測されている。
このほか、同行動計画にはエネルギー構造の高度化を進めていく方針も盛り込まれた。天然ガスの開発を強化するほか、水力、風力などのクリーンエネルギーを発展させ、石炭の消費ウエートを引き下げる考えだ。
プロジェクト凍結を解除した原子力発電については、東部沿海地域での新規建設を適切な時期に再開する。2020年の数値目標は、運転中の原発で総容量5800万キロワット(kW)、建設中の原発で3000万kW以上に設定された。
なお、南シナ海での油田開発構想に関しては、エネルギー上の戦略としてだけでなく、周辺諸国との領有権問題も意識しているとの見方もある。南シナ海の領有権をめぐって、中国はフィリピンやベトナムなどの近隣諸国・地域と対立している。

【亜州IR】《ZN》

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