欧米為替見通し:麻生財務相の円安スピード違反警告で、閑散に円売り無し?

2014年11月21日 17:09


*17:09JST 欧米為替見通し:麻生財務相の円安スピード違反警告で、閑散に円売り無し?

本日21日の欧米市場のドル・円は、来週24日の日本の勤労感謝の日の振り替え休日、27日の米国の感謝祭休日を控えて、麻生財務相の円安スピード牽制発言に敬意を表して上げ渋る展開が予想される。

ドル・円は、2005年8月の「郵政解散」後の上昇(110円付近⇒121円40銭)の再現期待から、「消費増税延期解散」後の上昇が見込まれており、118円98銭まで続伸した。しかしながら、米系ファンド勢が、来週の感謝祭休暇に向けて安倍トレード(日本株買い・円売り)を手仕舞う可能性があることで、上値が抑えられる可能性に警戒することになる。

「閑散に売り無し」という相場格言があるが、本日は、閑散に円売り無し、となるのかもしれない。

ドル・円は、麻生財務相が「円の下がり方のスピードのテンポ速すぎる。円安、円高の急激な変動は歓迎すべきではない」と、急激な円安に対して牽制発言をしたことで、上げ渋る展開となっている。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、来年度から外貨建て資産への投資配分を23%から40%に引き上げるため、急激な円安は、高い外貨買いとなることで、円安抑制が喫緊の課題となっている。

財務省の外為特会(1.2兆ドル)の持ち値は、約111円60銭付近にあり、現時点での円買い介入は、国庫収入に貢献できること、外貨準備を減らすことができること、スピード違反を抑制できること、年金基金に外貨買いの機会を提供できること、など経済合理的だといえる。

【今日の欧米市場の予定】

22:30 加・10月消費者物価指数(前年比予想:+2.0%、9月:+2.0%)
23:00 メキシコ・7-9月期国内総生産(前期比予想:+0.6%、4-6月期:+1.0%)

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