脳機能計測が身近で簡単に 島津製作所がポータブル近赤外光イメージング装置を発売
2014年11月20日 12:10
島津製作所<7701>は、場所を選ばず脳機能の計測が可能な近赤外光イメージング装置「SPEEDNIRS(スピードニルス)」(医療用)/研究用ポータブル光脳機能イメージング装置「LIGHTNIRS(ライトニルス)」(研究用)を発売すると発表した。
近赤外光イメージング装置とは、生体透過性の高い近赤外光を頭部に照射し、生体内で散乱・吸収されながら反射される光の一部を検出することで、脳表面の活動状態をリアルタイムに可視化する装置。安全かつ自然な状態で脳の活動状態を測定することができるという特長があり、医療分野をはじめ発達心理学や教育学、認知科学や工学分野などの幅広い研究分野で用いられている。
新装置は従来製品に比べ大幅に小型・軽量化した。認知機能用、運動機能用、精神科用と用途および測定部位によって専用プローブを選択して使用できるという。
医療用SPEEDNIRSは、本体を卓上で使用できる近赤外光イメージング装置として初めて薬事認証を受けた製品。うつ病の鑑別診断補助(2014年4月に保険適用)として問診での診断に客観的なデータを加えることで適切な治療に役立てたり、脳卒中の回復期のリハビリテーションの訓練効果を客観的に評価するなどの用途が期待されるという。
研究用LIGHTNIRSは、専用のキャリーバッグを用い、装置本体を背中もしくは腰周りに装着できるウエアラブルタイプ。脳活動から消費者の嗜好や意思決定プロセスなどを探ることを目的として行われているニューロマーケティングや、複数人での同時計測による多人数間のコミュニケーション等の研究や、脳信号をリアルタイムに処理し外部機器などを制御するブレインマシーンインターフェースの研究など、脳科学応用市場での活用が可能だ。
これらのどの用途でも、拘束性が低く、日常生活に近い状況下での測定が可能なため、幅広い脳機能評価を行えることが特長。コンパクトで特別な設備を必要としないため、大学病院や研究機関だけでなく、小規模な精神科病院やクリニック、診療所や一般病院、民間企業などで幅広く使用できるとしている。
本体サイズは250(W)×70(H)×200(D)mm、重量は1600g。販売計画はSPEEDTNIRS・LIGHTNIRS合わせて20台である。(編集担当:慶尾六郎)