高速道路活用案広がる スマートICでショッピングモール直結
2014年11月16日 21:43
国土交通省は11月2日、自動料金収受システム(ETC)を利用して、高速道路とアウトレットモールや大型ショッピングセンターなどを直結させる方針を発表した。渋滞緩和や生活の利便性向上とともに、消費を促進させる狙いがある。
計画はスマートICの利用が中心となる。スマートICとはETC搭載車専用の簡易型インターチェンジのことで、自動的に料金を徴収できるため、料金所の設置が必要なく、人件費などのコストもかからない。スマートICは現在、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアなどに設置されているものや、一般道から高速道路本線に直結するタイプのものがある。
高速道路は今や通過点ではなく目的地として機能している。11年12月には東名高速道路の海老名SA上り線で商業施設「EXPASA(エクスパーサ)海老名」が改装オープンし、人気を集めている。テナント数は28にのぼり、食をテーマにした「ベツバラ★ストリート」には洋菓子店が軒を連ね、フードコートも充実している。休日には施設利用を目的とした多数の人でサービスエリアが賑わっている。
そのほか、ホテル機能があるものや、観光名所を取り込んだ施設づくりなど、サービスエリアはさまざまに多様化している。背景には、高速道路の民営化で、利用者のニーズを取り入れる柔軟な体制へと変化したことが挙げられる。収益を上げるための積極的な取り組みが活発になっており、高速道路のさらなる利用拡大が目指されている。
スマートIC活用案では、対象施設について今後調整が進められる。設備費用などは、商業施設を経営する企業にもある程度負担を求めていく方針だ。また、自治体や企業が独自に設置・導入することも認め、補助金制度なども整備していく。地方の活性化にもつながるとして期待がかけられており、数年後には全国各地で開始予定だ。商業施設の他、医療機関も対象にあがっており、実現すれば渋滞による救急搬送の遅れを解消することができる。物流の便にも利用が検討されており、輸送にかかるコスト削減と効率向上にも繋がる見通しだ。(編集担当:久保田雄城)