スポーツハイブリッド+スーパーハンドリングAWDを搭載した新型レジェンド登場

2014年11月13日 11:44

 ホンダの最上級サルーン、レジェンドが最新モデルとなって復活・デビューする。5世代目となる新型は、ホンダ最新の3モータースポーツハイブリッド「SPORT HYBRID Super Handling All Wheel Drive(SH-AWD)」を搭載して、かつてない素直でシャープなハンドリング性能と快適な乗り心地、優れた燃費性能を達成した。

 3.5リッターV型6気筒直噴i-VTECエンジンと電動モーターが前輪を駆動し、さらに2つのモーターが後輪を駆動することで、あらゆる走行条件でスタビリティの高い走りを実現する。高出力リチウムイオンバッテリーから電力供給を受け、高性能ECU(Electronic Control Unit)が細かな駆動制御を行なう。

 新型レジェンドは、エンジンと3つのモーターをECUが最適制御することで、前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動の3つの駆動方式と、2つのモーターのみで走行するEVドライブ、エンジンによる前輪駆動と車体後部の2つのモーターで走行するハイブリッドドライブ、エンジンのみで走行するエンジンドライブの3つの走行モードのなかから、ドライバーの要求や走行状況に応じて、最適な駆動方式と最もエネルギー効率の良い走行モードを自動的に選択して走る。このシステムは来年発表される予定のスーパースポーツ「NSX」にも搭載予定だ。もっともNSXの場合はエンジンが後輪を駆動することになる。

 エンジンとモーターの統合ユニットシステムの最高出力は、281kW(382ps)となり、V型8気筒エンジンを超える力強い加速性能が実現した。同時に、V型6気筒のうち片側バンク3気筒を休止させるVCM(可変シリンダーシステム)や、減速時に4輪すべてでエネルギーを効率よく回生し、4気筒エンジン車と同等の燃費性能であるJC08モード16.8km/リッターという優れた省燃費性能を実現した。

 車体後部に搭載するTMUは、最高出力27kWの走行用モーターを左右に備え、それぞれを独立して制御。エンジンのトルクに依存しないため、左右後輪のプラストルク(駆動力)のみならず、マイナスのトルク(減速力)をも自在に制御する高度なトルクベクタリングが可能とした。これにより全速度域で理想的なライントレース性が得られ、素直なハンドリングと高い操縦安定性が実現した。

 このパワーユニット群を支えるシャシーは、四輪の駆動力を自在に制御するSPORT HYBRID SH-AWDに加え、ブレーキ制御によってクルマの運動性能を高める「アジャイル・ハンドリングアシスト」、そして、ブレーキと出力を制御し、横滑りなどの挙動の乱れを防ぐVSA(ヴィークル・スタビリティ・アシスト)を緻密に統合制御。市街地の交差点から郊外のワインディング、さらには高速道路での危険回避まで、幅広い走行状況において優れた操縦安定性とハンドリング性能を得た。

 走りを支えるフロントサスペンションにはダブルジョイント・ロアアーム式のダブルウイッシュボーンを、リアサスペンションはマルチリンクタイプを採用した。前後とも振幅感応型ダンパーを新たに採用。スプリングレートやダンパーの減衰力を最適化し、優れた操縦安定性と優れた乗り心地を両立させた。また、サスペンション取り付け点の剛性を含むボディ剛性を大幅に向上。同時に、ホンダ独自のスチールとアルミの結合技術で、すべてのドアスキンをアルミ化し軽量化を図っている。ボディサイズは4995×1890×1480mm、ホイールベース2850mmという堂々たる体躯となる。車重は1980kgだ。

 快適装備にまったく不足はなく、リアウインドウ、リアドアウインドウともに新機構のサンシェイドで遮光エリアを拡大。アームレストに大型カラーディスプレイのコントロールパネルを搭載して後席の快適性を大幅に高めた。運転席には、視線移動の少ないフロントウインドウ投影型の「ヘッドアップディスプレイ」を装備。デジタル速度表示のほか、ナビゲーションシステムと連動して進行方向を示すターン・バイ・ターンや、トルクベクタリングをリアルタイムで確認できるモニタリング機能を備える。

 遮音・吸音にも最大限の配慮・工夫がなされた。振動や騒音を発生源から抑制し、エンジン振動を推定して打ち消すように作用する「アクティブコントロールエンジンマウント」を採用するなど、パワーユニットが発する振動を徹底して低減。ロードノイズに対しても、「ノイズリデューシングアルミホイール」によって、タイヤ内部で発生する不快な共鳴音を抑制し優れた静粛性を達成したという。

 新型レジェンドは先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」が搭載される。これは、フロントグリル内に設置したミリ波レーダーと、フロントウインドウ内上部に設置した単眼カメラという、特性の異なる2種類のセンサーで構成したセンサーシステム。ミリ波レーダーは性能が従来比で大幅にアップし、対象物体の位置や速度だけでなく、検知が難しいとされてきた電波の反射率が低い歩行者まで検知対象を拡大した。また、単眼カメラは車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性、大きさなどを識別、より精度の高い認識を可能だ。さらに、クルマの側面と後方の安全をサポートするさまざまな運転支援機能を装備。クルマがドライバーの意思と車両の状態を認識し、警報音、表示、体感警報でドライバーに危険性や情報を知らせるとともに、アクセルやブレーキ、ステアリングの制御により快適なドライブをサポートする。

 新型レジェンドは完全なモノグレードで、価格は680.0万円。月販300台の計画だ。発売は年明けの1月22日から。(編集担当:吉田恒)

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