NYの視点:米Q3GDPへの期待が後退、利上げペースは遅く

2014年11月13日 07:20


*07:21JST NYの視点:米Q3GDPへの期待が後退、利上げペースは遅く

米国商務省が発表した9月卸売在庫は前月比0.3%増と8月の0.6%増から伸びが鈍化したものの市場予想0.2%増を上回った。卸売売上高も前月比0.2%増と、8月の0.8%減から予想外にプラスに改善した。しかし、9月分の在庫は依然、14か月来の低水準で推移しているほか、8月分は0.7%増から0.6%増へ下方修正された。また、8月の売上高も0.7%減から0.8%減から下方修正され、厳冬で景気後退に落ち込んだ1月以来の大幅な減少となった。石油在庫は前月比で5.3%減。前年比では13.2%減と、下落率は2009年7月以来で最大となった。このため、7-9月期国内総生産(GDP)への期待も後退している。

フランス系BNP銀行は米国の7-9月期国内総生産(GDP)で成長率見通しを従来の3.5%から3.1%へ引き下げた。米国商務省が発表した9月卸売在庫は予想を上回ったものの、建設支出や製造業受注の鈍化、貿易赤字の予想以上の拡大を理由に挙げた。米商務省は25日に7-9月期のGDP改定値を発表する。速報値は前期比年率3.5%増だった。

ウェルズファーゴ銀行は米連邦準備制度理事会(FRB)が2015年6月に利上げを開始する軌道にある見通しに変わりはないが、利上げペースは従来予想よりもより遅くなる可能性を指摘。ジェフリーズはFRBがインフレの責務で目標水準を達成するまでゼロ金利政策を継続すると見ている。インフレが目標値を達成できるのは早くて2015年10-12月期と予想。FRBは市場が予想しているよりも長く異例な低金利を維持すると見ている。《KO》

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