10月の円安倒産は月間最多の39件、14年累計は前年比2.8倍=帝国データバンク
2014年11月12日 18:44
帝国データバンクは11日、初の円安関連倒産動向調査(2013年1月~14年10月)をまとめ発表した。それによると、10月の円安関連倒産は、円安が進んだ2013年1月以降月間最多の39件にのぼった。また、2014年1~10月の累計は259件にのぼり、前年同期(92件)に比べて181.5%の大幅増加となった。
円相場は、2013年年初から上昇基調に転じ、それまでの1ドル80~90円台から一気に100円台に乗せ、最近では、1ドル115~116円にまで急上昇している。こうした急激に進む円安は、輸出関連の大企業には、業績改善の恩恵が及ぶものの、食品、繊維、資材などの原材料を輸入に頼る、多くの中小企業には死活問題となっている。
円安関連動向調査は、そうした為替環境を踏まえ、倒産企業(負債1000万円以上、法的整理のみ)の中から、円安の影響を受けて倒産した企業を抽出し、業種や負債規模、地域別の動向をまとめた。
円安倒産企業の業種では、10月は製造業が11件(構成比28.2%)と最も多く、食料品・飼料関係が目立っている。それに次いで、運輸・通信業が8件、卸売業7件、小売業6件と続いている。
負債規模別では、全体の約7割が負債5億円未満の中小企業が占めている。一方、負債50億円を上回る大型倒産は、2014年1~10月の累計で1件にとどまっている。
地域別に見ると、10月は関東が12件(同30.8%)と最も多くなっている。2013年以降の累計で見ても、全国44都道府県で関連倒産が判明しており、円安の影響は全国的に広がっている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る)