労働環境 ひどい実態浮き彫り

2014年11月12日 12:29

 厚生労働省は11月1日に行った過重労働解消相談ダイヤルに280件の相談が寄せられたと11日発表した。

 また、9月1日から平日夜間・土日に実施している「労働条件相談ほっとライン」には2か月余りの間に3142件の相談が寄せられたとしており、長時間労働・過重労働、賃金不払残業などの相談が目立った。

 中にはタイムカードを強制打刻させた後、いわゆるサービス残業させたり、パソコン入力の勤務記録を書き換えたり、ノルマ達成に工事代の一部負担までせざるをえない状況に置かれたケースなどもあった。

 主な相談では賃金不払残業が約600件、長時間・過重労働が約450件。長時間労働・過重労働の相談では20代の労働者から「所定休日の設定がなく、休日が与えられない。定期健康診断が実施されていない」などの相談、40代の建設業の現場監督の労働者家族からは「毎朝5時半に家を出て、帰宅は夜10時で、1か月100時間を超える残業をしているが、医師の面接指導はなく、長時間労働、仕事のストレスでうつ病と診断された」、中古車販売の営業をしている20代の労働者の家族からは「1か月100時間から150時間残業していて、2年間休日がない。最近体調を崩しがち」などの長時間労働に対する相談があった。

 賃金不払いでは食料品製造業で働く40代労働者の家族から「1か月100時間を超える残業をしているが、上司の指示で提示にタイムカードを打刻され、打刻後の残業手当は全く支払われない」、同じような相談は30代の労働者からも寄せられ「1か月100時間を超える残業をしているが、残業の途中でタイムカードを強制的に打刻され、1か月3万円程度の残業手当しか支払われない。時給も最低賃金未満」と工場の製造ラインで働くこの男性は明らかな法令違反の下で働かされていた。

 レストラン20代の調理師の家族は「今年度は1日も休みがなく、労働時間は各自がパソコンに入力しているが、正しい時間を入力しても会社が後に改ざんしていて、労働時間を適正に管理していない。残業手当も一切支払われない」ひどい内容。

 リフォーム企画会社に勤める20代労働者の家族の相談では「1か月150時間から180時間残業しているが、残業手当は一切支払われておらず、ノルマ達成のために工事代金の一部を自ら負担していると言っている」と切実な実態が寄せられていた。(編集担当:森高龍二)

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