ネット通販での偽物商品苦情増加 個人情報漏れも心配
2014年11月12日 12:27
国民生活センターは購入した商品が「偽物」だったと訴える相談・苦情件数が2013年度で過去最多に上ったことを発表した。高級ブランド品を偽ったものや、著作権を侵害している海賊版のDVD、偽造の医薬品などに関する報告が増加しており、04年度では1,150件だったのが10年度で1,846件、11年度は2,446件、12年度は3,107件、13年度では4,360件にまで膨らんだ。
偽物に関する相談のうち、70%をバッグや靴、財布、サングラス、帽子や洋服などの「被服品類」が占めている。次に多いのが「教養娯楽品」で、時計、パソコンソフト、スポーツ用品、楽器などが19%となっている。「食料品・保健衛生品」は全体の6%だが、健康食品や医薬品、化粧品などが含まれており、直接肌に塗ったり、体内に摂取したりするものであるため、金銭被害だけではなく、健康面について安全性の問題も懸念される。
背景にはインターネットによる通信販売の拡大がある。偽物商品の購入手段については、店舗で直接買ったのは10.0%で、インターネット通販やインターネットオークションなどの「通信販売」が85.6%とほとんどを占める。特に近年、スマートフォンの普及によって利便性が増したことから、通販人気が高まっているのだ。さかのぼってみてみると、04年では店舗購入が47.0%で通信販売は39.7%となっているが、05年では店舗購入が41.9%、通信販売が46.1%と逆転し、以降、通信販売の割合は増加の一途をたどっている。
実際に起こった事例では、インターネット通販で格安ゴルフクラブを購入したところ、明らかな偽物だったにも関わらず返品に応じないといったものや、絶版になっているDVDを海賊版で偽造し正規品と偽って販売していたという。また、通販利用は偽物購入被害以外にも、住所やカード情報などの重要な個人情報を違法な商品を扱う業者に与えてしまう危険性もある。国民生活センターは、「事業者の連絡先が不明瞭、日本語がおかしい」など、違和感を覚えるインターネットサイトは利用しないように注意を呼び掛けている。(編集担当:久保田雄城)