アルマ望遠鏡、史上最高解像度「視力2000」を達成 おうし座HL星を囲む塵の円盤を撮影

2014年11月11日 18:35

 アルマ望遠鏡が、「視力2000」に相当する史上最高の解像度を実現し、おうし座HL星を取り囲む塵の円盤を撮影することに成功した。

 複数のパラボラアンテナを結合させて一つの望遠鏡とする観測装置を「電波干渉計」と呼び、アンテナの間隔を離せば離すほど解像度(視力)が向上する仕組みになっている。また、アルマ望遠鏡が観測するミリ波・サブミリ波は、生まれたばかりの星の周りにあるガスや塵に吸収されないという特徴がある。

 研究グループは、電波干渉計の一つでもあるアルマ望遠鏡を過去最大のアンテナ展開範囲15kmにして、おうし座HL星の試験観測を行った。その結果、星のまわりに同心円状の塵の円盤が幾重にも並んでいる様子をくっきりと映し出すことに成功した。

 研究メンバーは、「最初にこの画像を目にしたときには、私たちはそのあまりの高精細さに言葉を失うほど驚きました。おうし座HL星は100万歳に満たない若い星ですが、この画像を見るとこの星のまわりでは明らかに惑星ができているように見えます。このたった1枚の画像が、惑星形成の研究に革命をもたらすでしょう」「次はいよいよ宇宙における生命の兆候の発見に向かいます。私が生きている間に実現できるかもしれないと思っています」などのコメントを発表している。

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