コンビニ、百貨店6ヶ月連続マイナス 長引く増税の影響
2014年11月6日 11:58
消費税8%の増税の影響は根強いようだ。コンビニと百貨店の9月の売上高はどちらも減収となり、小売業の苦戦が続いている。
日本フランチャイズチェーン協会は10月20日、主要コンビニエンスストア10社の9月の売上高を発表。既存店ベースでは前年同月比1.3%減の7,377億円となった。増税前の3月では売上高が7,486億円で、前年同月比2.9%増となっている。しかし、増税が行われた4月には6,844億円まで減少し、前年同月比2.2%減と一変した。5月には7,393億円まで立ち直るも前年同月比0.8%減で、増税以降の6ケ月間はマイナスが続いている状態だ。
9月になっても売上高が回復しない理由には、増税による消費マインドの冷え込みのほか、気候の影響で気温が下がったことにより、冷し麺やアイスクリームなどの需要が落ち込んだことも関係している。カウンターで販売しているドリップ式コーヒーなどの商品は好調だったものの、たばこや雑誌の購入者数の減少から、平均客単価は586円で前年同月比0.3%減となった。また台風に見舞われたことで、来店客数が前年同月よりも1.0%少なくなったことも原因のひとつとして考えられる。ファミリーマート<8028>の中山勇社長は、「消費回復ペースが予想よりも遅い」と述べ、今後も厳しい状況が続くかもしれないと懸念を示した。
一方、百貨店の方も、9月の全国百貨店売上高が前年同月比0.7%減の4,406億円にとどまり、コンビニと同様、増税後連続6カ月のマイナスとなった。しかし、都市部は好調で、名古屋が2.8%増、大阪が2.7%増となった。東京では0.5%増とやや小幅ではあるものの、徐々に消費が戻りつつあることを伺わせる。だが地方では依然として軒並みマイナス状態にあり、全体的には確実な回復とまでは至っていない。商品別にみると、主力の衣料品が0.6%増、化粧品も3.8%増となっている。不振だったのは美術品や宝飾・貴金属で、2.8%減となった。また食料品が1.7%減、ブランド品や靴、かばんなどの商品も1.0%減となった。来年度には消費税10%増税の可能性もある。小売業界の苦難は当分続きそうだ。(編集担当:久保田雄城)