日立製作所、15年3月期の業績予想を上方修正

2014年11月3日 08:06

 中国向けのエレベーターやイギリスでの鉄道事業といったインフラ関連事業が好調に推移したこともあり、29日に日立製作所<6501>は2015年3月期の連結業績予想を上方修正するとの発表を行った。それによれば、営業利益を前回の予想よりも200億円増やして、前年同期比8.9%アップの5800億円と予想。この業績予想が達成されれば、2年連続での過去最高を更新することとなる。

 そして日立製作所は、売上高についても従来の予想よりも1000億円増やして前年同期比1%ダウンの9兆5000億円とした。営業利益については前年同期比8.9%アップの5800億円と予想。中国を中心とした新興国でのエレベーターや、イギリスでの鉄道事業などインフラ関連事業が好調に推移していることから、2年連続での営業利益過去最高更新を狙う。

 また同日には2015年3月期第2四半期の連結決算も発表され、それによれば売上高は前年同期比1%アップの4兆4967億円で、営業利益は前年同期比23%アップの2140億円であり、増収増益という結果であった。SI事業における「情報・通信システム」部門や、中国を中心としたエレベーターなどの「社会・産業システム」部門が好調に推移し、業績全体をけん引することとなった。

 「情報・通信システム」部門の売上高は、前年同期比7%アップの9349億円。公共システムや金融システムなどのSI事業や、そしてストレージ事業の業績が寄与した。そして「情報・通信」部門の営業利益は前年同期比19%アップの368億円であり、SI事業での不採算案件が改善したことが寄与した模様。

 こうして海外事業の好調さにより業績を伸ばし、また15年3月期の連結業績予想についても上方修正を行った日立製作所だが、まだまだこうした中国を中心とした新興国での業績拡大傾向は続くとみられ、今回日立製作所が発表した2年連続での営業利益過去最高更新も、この好調さの波が続けば十分に実現することはできるものと思われる。そのことからも、今の日本経済にとって、いかに中国などの新興国が重要な存在かがうかがえる発表でもあった。(編集担当:滝川幸平)

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