【中経営計画と株価】TOTOは2017年度にROE10%以上

2014年11月2日 08:36

■国内外の住設事業、新領域事業の拡大と、生産効率の改善を背景に収益力の向上を図る

 TOTO <5332> は創立100周年を迎える2017年度を目標に「TOTOVプラン2017」を策定している。これは住宅のリモデル戦略を柱に国内住設事業を成長させるほか、アジアやオセアニアでの事業展開に積極的に取り組むと同時に、燃料電池(SOFC)の心臓部である発電モジュールにおいてセラミック製発電セルと発電モジュールの開発と製造を推進し、早期事業化を図る。 さらに、システムキッチンで3つあった工場を2つ体制にしたほか、省エネ工場をめざし生産効率の改善を推し進めていく。

 こうしたことを背景に2017年度に売上高6500億円(2014年度見通し5440億円)、営業利益610億円(同372億円)、ROA、ROEともに10%以上を目指している。 ただし、2014年度の業績は前期比1.7%の減収、同21.2の営業減益、同24.8%の経常減益となる見通しだ。これは5%から8%に消費税を増税した駆け込み需要に対する反動が出たものであり、「想定内」(会社側)の予想数字である。

 むしろ、2015年度から、中期経営計画達成を目指して再び増収増益路線に復帰する可能性が高いことを評価すべき局面に来ている。

 さらに、注目すべきは来年の消費税である。今のところ、実際に行なうか否か結論は出ていないようだが、今回の日銀の追加金融緩和や、景気対策として補正予算実施を決めたこと等から判断すると、10%にするための体制作りが着々と進んでいるのは確かなようだ。

 となると、再び駆け込み需要が来年、発生する可能性が出てきたわけで、この点を早くも取りただされるものと見られる。もちろん、その後の反動減は2014年度決算と同様に想定されるが、海外での展開や新領域の事業展開、さらには合理化などが加わって、マイナスの影響をカバーし、場合によっては2014年度のような減収減益決算となる可能性は低くなるかも知れない。

■今期は消費税反動で減益も株価織り込む

 株価は2014年1月高値1758円を付けてから、下落基調をたどってきたが10月に1050円まで売られたことで、下値到達感が出てきた。いずれにしてもこれで、2014年度決算の減収減益は完全に織り込んだと見られる。むしろ、これからは2015年度業績に対する期待感と、再度の駆け込み需要の思惑が台頭。目先筋の売りも一巡し、ジリ高傾向をたどると予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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