【中国の視点】不動産市場、回復には2年以上が必要

2014年10月30日 08:04


*08:07JST 【中国の視点】不動産市場、回復には2年以上が必要
国家統計局が発表した9月の新築住宅価格統計によると、主要70都市のうち、福建省のアモイ市(前月比横ばい)を除き、すべては前月比で下落したという。9月から1軒目住宅を対象にした貸出規制の緩和に加え、一部都市で実施されている住宅購入制限が解除されたにもかかわらず、不動産市場の回復はみられなかった。

清華大学金融学部の李稲葵主任は、中国の不動産市場について、回復するにはすくなくとも2年が必要だとの見方を示した。また、住宅・都市農村建設部の政策研究センターの秦虹主任は、具体的な時間を挙げなかったものの、調整時期が長く続くと発言した。

李氏は、89%の都市住民が住宅を所有しており、住宅供給が需要を上回っていると指摘。また、停滞する不動産市場が投資意欲を低下させるほか、一部資金は利回りの高い理財商品(金融商品の一種)などに流入しているため、不動産価格が上昇する余地が限られているとの見方を示した。

なお、財政部などはこのほど、不動産税(日本の固定資産税に相当)と環境税を税改革の重要項目に位置付ける方針を示した。不動産税が全土に導入されれば、保有コストの増加に伴う売り圧力が一段と高まる可能性があると指摘されている。《ZN》

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