市内全域が原発30キロ圏内の市が地元でない?
2014年10月29日 22:27
社会民主党の吉田忠智党首は九州電力川内原発の再稼働について「28日、(原発所在地の)薩摩川内市の議会が川内原発再稼働を求める陳情を採択したことを受け、岩切秀雄市長が再稼働に賛成を表明した。これをもって、鹿児島県としても手続きに入るということだが、火山対策も不十分」などを指摘して「到底、再稼働できる状況でないし、すべきでない」と再稼働に強い懸念を示した。
薩摩川内市議会では再稼働に反対する陳情を不採択とし、地元商工会議所などからの再稼働を求めた陳情を採択した。岩切市長は苦渋の決断としながらも「国が責任をもって再稼働してほしい」旨を表明。薩摩川内市として再稼働に同意することとなり、11月上旬にも臨時の県議会が開かれ、議会の意向を受ける形で、伊藤祐一郎知事が再稼働に同意する色合いが濃い。
伊藤知事は薩摩川内市議会、市長、県議会の意向を総合的に勘案して再稼働について判断する意向を示している。ただ、地元の同意としながら、地元の範疇には原発所在地の薩摩川内市のみで、重大な事故が起きた場合に30キロ圏内に市内全域が入り、特に大きな影響を受ける「いちき串木野市」を地元扱いしていないなど、さつま町、日置市など周辺市町の意向を聴くことは東電福島第一原発事故を踏まえれば当然で、30キロ圏内がかかる自治体はすべて「地元」の範疇に入れた対応こそが強く求められる。(編集担当:森高龍二)