ソユーズ2.1aロケット、プログレスM-25M補給船の打ち上げに成功

2014年10月29日 22:10

 ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)は10月29日、プログレスM-25M補給船を搭載したソユーズ2.1aロケットの打ち上げに成功した。プログレスM-25Mには国際宇宙ステーション(ISS)に補給するための物資が積まれており、このあと6時間後にISSへ到着する予定だ。

 日本時間の今朝には、同じくISSへの補給物資を積んだシグナス補給船運用3号機が、ロケットが爆発、墜落したことで打ち上げに失敗しており、ISSの運用のためにも、プログレスM-25Mの無事の到着が望まれている。

 プログレスM-25M補給船を搭載したソユーズ2.1aロケットは、現地時間2014年10月29日13時9分(日本時間2014年10月29日16時9分)、カザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地の31/6発射台から離昇した。ロケットは順調に飛行し、約9分後にプログレスM-25Mを軌道に投入した。

 現在すでに太陽電池パドルや通信用アンテナなどの展開に成功し、今後6時間をかけてISSに接近する。現時点で日本時間22時9分に、ISSのピールス(ピアース)・モジュールにドッキングする予定となっている。

 プログレスM-25Mは、ロシアのRKKエネールギヤ社が開発、製造した無人の補給船で、ISSへの物資輸送を担っている。打ち上げ時の質量は7,290kgで、そのうち補給物資として、2,350kgの水や食料、日用品、修理用部品、燃料などが搭載されている。

 今回の打ち上げでは、2つの新しい試みがなされている。1つ目は、これまでプログレス補給船の打ち上げを担ってきたソユーズUロケットに代わり、より新しいソユーズ2.1aロケットを使用する点だ。ソユーズ2は、2004年から運用が始まった、ソユーズ・ロケットのシリーズの中でも新しい機体で、エンジンが改良されたほか、高性能なコンピューターや制御システムを搭載しており、打ち上げ能力と軌道投入精度が向上している。またソユーズUは部品の一部にウクライナ製のものを用いていたが、ソユーズ2.1aはすべてロシア製の部品で作られている点も大きい。ただその反面、機体の価格は上がっている。

 2つ目は、プログレスにANS-Kと呼ばれる新しい航法装置が搭載、使用されることだ。ANS-KはGPSとGLONASSを利用した航法装置で、搭載自体は前号機のプログレスM-24Mが初めてであったが、このときはテレメトリーのみ送信するモードで運用され、実際の航行には使用されていない。

 このANS-Kを用いることで、現在よりもさらに短い、約4.5時間でのISS到着も可能になるとされる。その最初の試験は、来年2月に打ち上げ予定のプログレスM-26Mで試みられる予定となっている。

 またソユーズ2.1aによる打ち上げと、ANS-Kによる航法は、将来的に有人のソユーズ宇宙船にも導入される予定で、今回を含め、まず無人のプログレスに導入され、実証と評価が行われる予定だ。ただし、プログレスM-26MとプログレスM-28Mの打ち上げには、ソユーズUが使われることになっている。

■ФЕДЕРАЛЬНОЕ КОСМИЧЕСКОЕ АГЕНТСТВО (РОСКОСМОС) - Ракета «Союз 2.1а» с транспортным грузовым кораблем «Прогресс М-25М» стартовала с космодрома Байконур
http://www.federalspace.ru/21057/

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