ショールーミングは「快楽」である!?専用アプリも登場
2014年10月26日 23:04
実店舗で商品を品定めし、その場では購入せず、ネットなどで購入する「ショールーミング」が広がっている。店舗が単なる「ショールーム」になってしまう可能性もあり、特に小売業には大きな影響を与えているともいわれる。一方、消費者にとっては、実店舗で商品の特徴などを知った上で、ネットで最安値で購入できるため、「お金が節約できる」などのメリットもある。
実際、どのくらいの人がショールーミングをしているのか。クロス・マーケティングが今年9月、全国の20~69歳の男女6万5000人を対象にアンケートを取ったところ、過去1年以内にショールーミングをしたことがある人は、全体の16%だった。うち、「この買い方でよく買物をしている」と答えた「高頻度層」は30%いる。ショールーミングの対象となる製品カテゴリーでは、オーディオ機器やデジカメなど「家電量販店系アイテム」と「書籍・雑誌」が多く、次いで「化粧品」「ファッション関連」が続く。
調査では、ショールーミングをした回数が多い人ほど、その「快楽的価値」を実感していることも分かった。経験者全体では25%、高頻度層では31%が、ショールーミングへの「楽しさ」を認識しており、高頻度で行う人ほど、ショールーミングに対して「喜び」「熱中」「興奮」などの「快楽的な価値」をより高い割合で認識している。頻度が高まるほど、「ショールーミングは楽しい!」という意識が生まれ、消費者はショールーミングを次の買物の時にも行う可能性が高まり、さらに楽しい買物経験をクチコミによって他者に伝えていく、という普及の過程があるようだ。
アメリカではすでに、ショールーミングを前提としたアプリ「ShopSavvy」が人気を博している。店頭で商品のバーコードをスキャンすると、ネット通販や近隣のリアル店舗も含めた「最安値」が表示され、商品をお得に購入することができる。日本でも同様のアプリ「ショッピッ!」が提供されており、すでに100万ダウンロードを達成した。「お得感」とともに、買い物の楽しみやイベント性も味わえる「ショールーミング」。“脅威”と捉えるばかりではなく、新たな商機にしようとの動きも、じわじわと広がっている。(編集担当:北条かや)