フリースケール、世界最小の統合型タイヤ空気圧モニタリング・システムを発表
2014年10月25日 18:40
フリースケールが発表した、「最小パッケージおよび最小消費電力の高集積タイヤ空気圧モニタリング・システム(TPMS)は、コストダウンと省スペースを実現しながら、タイヤ空気圧を高精度に感知し安全性を強化する」といえる。
フリースケール・セミコンダクタは、0.3gという超軽量の世界最小の統合パッケージ「FXTH87 TPMS」を発表。競合他社製品比で50%小型化したFXTH87は、部品全体のコスト削減にも貢献するアイテムだ。フリースケールの最新のTPMSシステム・イン・パッケージ・ソリューションは、低消費電力機能と最高レベルの機能統合をワンパッケージ化した製品だ。さらに2軸加速度センサ・アーキテクチャ、圧力および温度センサー、統合マイクロコントローラー、RFトランスミッター、および低周波レシーバーを搭載している。
米運輸省高速道路交通安全局によると、年間で2万3000件の交通事故および535件の死亡事故がタイヤのパンクやバーストに起因していると推定している。フリースケールのTPMSシステムは、適切なタイヤ空気圧をモニタリングすることで、タイヤの障害による事故を防止するためのデバイスだ。また、適切なタイヤ空気圧は燃費の改善と排気ガスの減少にもつながる。同社いわく、世界各国で新型車へのTPMS搭載の要望が高まっているという。
フリースケールは、「我々には、タイヤ空気圧システムおよび車載市場におけるイノベーションと成功に関して長期に及ぶ実績がある。それを基盤として車載製品として今回提供するのが、超小型、高集積で、低消費電力のこのシステム・ソリューションだ。自動車のタイヤに組み込むTPMSはサイズと重量が重要なファクター。フリースケールは、実質的に道路上のすべての自動車の安全性と効率性を改善する唯一無二のソリューションを提供する」としている。
7×7×2.2mmの寸法のFXTH87は、最小の基板実装面積でタイヤ空気圧センサ・モジュールを実現、重量および全体のシステムコストを削減する。業界最小の消費電力はバッテリー寿命を大幅に延長するとも。
また、1軸と2軸のふたつの加速度センサーは、その精度を改善したことで、より精密なタイヤ位置認識機能の実装を容易にした。そのため、OEM各社やアフターマーケット用途の汎用交換部品としての利用を可能にすることに繋がるはずだ。さらに、マイクロコントローラーと専用のファームウェアを統合したことで最大容量の8KBのカスタマ用フラッシュメモリの利用が可能になり、アプリケーションを強化することが出来る。
FXTH87 TPMSファミリーは現在出荷中で、1万個購入時の1個当たりの参考価格は3.45~3.62USドルだという。
ガソリンスタンドがセルフ化されるなか、タイヤの空気圧チェックがいい加減になりがち。この手のセンサーは実質的な安全に貢献することが期待できるアイテムといえそうだ。安価になることで、小型大衆車や軽自動車への導入が進むことに期待したい。(編集担当:吉田恒)