冨永愛さんが一夜限りの独り舞台 長渕剛さんが総合プロデュース

2014年10月23日 10:12

舞台後の会見にのぞんだ冨永愛さん(左)と、プロデュースを行った長渕剛さん

 モデルで女優の冨永愛さんが、自身初の自叙伝「Ai 愛なんて 大っ嫌い」の発売を記念し、一夜限りの独り舞台「Ai 愛なんて 大っ嫌い」を都内で行った。プロデュースを行ったのは、音楽家の長渕剛さん。

 舞台は、冨永さんによる自叙伝の朗読が流れるなか進み、和太鼓の演奏や舞踏家たちによるパフォーマンスが披露された。複雑な家庭環境や、壮絶ないじめなどの過去を振り返る独白が続くと、ランウェイに見立てられたステージ上では、冨永さんが身体や指先の動きでその感情を表現。フィナーレのファッションショーのシーンでは、トップモデルならではの貫禄あるウォーキングで会場を沸かせた。

 公演終了後の記者会見には、冨永さんと長渕さんの2人が出席。舞台を終えたばかりの冨永さんは、「初めて感じる達成感があります。モデルはマネキンであり、カメラマンやデザイナーのもの。私自身の奥底にあるものを表現するのは初めてだった」と語った。

 セリフや演出、音楽、照明に至るまですべてをプロデュースしたという長渕さんについて、冨永さんは、「モデル時代から長渕さんの「MYSELF」という曲をずっと聴いていて、孤独や辛いことがあってもこの曲が背中を押してくれていた。そんな方にプロデュースをしていただけるなんて信じられないほど光栄だった」といい、舞台に臨むため1年をかけ準備をしたことや、長渕さんの故郷・鹿児島県の道場で長渕さんのスタッフとともに身体トレーニングに励んだことなども明かした。

 これに対し長渕さんは、「国内外で活躍してきた冨永さんは日本の誇り。日本でもっと成長できる場所が望まれてもいいはずだとずっと感じていた。責任もあるし大変だが、その一助になればと思った」とプロデュースを行った経緯を説明。自叙伝についても、「自分を変えたいという冨永さんとともに、私も心の旅をしなければならなかった。痛くもない腹をえぐられ、死ぬほど辛かったこともあると思うが、書くことで自分自身を肯定してほしかった」と話した。

 冨永さんが、「とても厳しかったけれど、同時にとても優しかった」と感謝の気持ちを伝えると、長渕さんは、「女房(長渕悦子さん)と一緒に観ていたんだけど、娘を嫁に出すような気持ちで見ていたよ」とこぼし、笑いを誘った。

 「Ai 愛なんて 大っ嫌い」は、冨永愛さん初の自叙伝。奔放な母親に翻弄された幼少期や、身長の高さゆえにいじめられた思春期、アジア人への偏見に立ち向かいながらトップモデルに上り詰めた20代、そして母親としての葛藤などが赤裸々に語られる。その心の叫びとともに、家族との絆や、本当の自分とは何かを探し出そうとする半生の物語。10月29日発売。本体価格1,400円。発売元は、ディスカヴァー・トゥエンティワン。

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