キッズケータイが進化して腕時計に 防犯機能向上
2014年10月19日 22:43
NTTドコモ<9437>は9月30日、衛星利用測位システム(GPS)機能などが付いた子ども向けの腕時計型端末「ドコッチ01」を新たに発売すると発表した。子どもを狙った連れ去り事件が多発しており、保護者の危機意識が高まっている。子どもの安全を見守れるよう、携帯端末にも防犯機能の向上が求められており、腕時計型という新しいアイテムは注目を集めそうだ。
ドコッチは通話に使用することはできないが、ショートメッセージを送受信することができる。危険が迫ったと子ども自身が判断したときなど、緊急時にはボタン操作1つで複数の相手にメールを送ることができる。また、時計を身につけている子どもの歩数や周辺の気温や湿度までが情報化され、保護者はスマートフォンやパソコンから子どもの活動状況を確認することができる。「遊んでいる」「歩いている」「休んでいる」「時計を外している」など具体的に知らせるほか、端末が情報を総合的に判断して「熱中症の危険がある」など保護者に注意を呼び掛けることも可能だ。
今年7月、岡山県倉敷市で小5の女児が車で男に連れ去られるという事件は記憶に新しいだろう。女児は子ども向け携帯電話を所持しており、女児の居場所を探すために携帯のGPSを利用して捜査が行われた。しかし携帯は連れ去り直後に容疑者の男によって用水路に捨てられており、居場所を掴む手がかりにはならなかった。キッズケータイなどの携帯端末を子どもの防犯の手立てとして有効性を持たせるためには、緊急時の使用方法や、機能向上が欠かせない課題となっている。
ドコッチは身につけている人の状況を、具体性を持って知らせるほか、腕時計型であるため紛失しにくい。活動状況や周辺温度など、時間ごとに把握することができるため、万が一犯罪に巻き込まれ強制的に外されたときや捨てられたときでも、より状況を正確に知ることができる。ドコッチは2015年3月の発売予定で、ドコモの契約者は月額500円で利用することができる。メインは子ども向けだが、認知症を患うシニア層にも利用枠を広げていく方針だ。(編集担当:久保田雄城)