京大、協調性を重視する人ほど、糖尿病の心の負担が増加することを明らかに

2014年10月17日 15:49

 京都大学の池田香織特定助教・稲垣暢也教授らによる研究グループは、協調性を重視する糖尿病患者は、心の負担を感じやすいことを明らかにした。

 糖尿病治療には食事療法や運動療法があり、健常者と同じような生活をすることを目指している。しかし、これまで社会や個人の協調性と糖尿病治療との関係性は議論されていなかった。

 今回の研究では、糖尿病の外来患者を対象に質問紙調査をおこなった。その結果、日本人の糖尿病患者は協調性を重視する人ほどと糖尿病の心の負担を感じやすいことや、身近な人からの心のサポートを強く実感している人は負担感が軽減することが分かった。しかし、アメリカ人の患者にはこのような傾向は見られなかった。

 研究メンバーは、「日本などアジアの国では周囲の他者との調和を重んじる相互協調性の高い文化や社会が形成されています。このことを考慮に入れた治療戦略を確立することで、多くの糖尿病患者の心の負担の軽減や、その結果としての治療の成功にも貢献することが期待されます」とコメントしている。

 研究グループは、今回の知見をもとに、日本人糖尿病患者に効果的な療養方法を探る研究を実施しており、より具体的な療養方法の開発につなげることを目指している。

 なお、この内容は10月15日に「PLOS ONE」に掲載された。

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