【木村隆のマーケット&銘柄観察】キャリアリンクはBPO市場の成長性市場を取り込む

2014年10月16日 15:23

 キャリアリンク <6070> (東2)は好業績見直しのムードが強く、高値圏で頑強な動きを続けている。経営の効率化を求める時代の潮流を受け、企業がBPOを活用して業務の効率化やコスト削減を推進する動きが強まっており、好環境が続いている。全体的に業績面への不安が強まる中、追い風一杯の同社株への買いが活発化する方向が予想される。

 同社は人材サービス企業であるが、同社の特徴は一般的な人単位の派遣ではなく、組織単位で派遣する、チーム派遣である。業務の一部あるいは全体を外部に委託し、業務処理の効率化・高品質化を実現するBPO市場は、近年急激な成長を遂げている。これからのアウトソーシングの大きな潮流として注目される。

 2015年上期の単独業績は、売上高は前年同期比3%増の64億8600万円、営業利益は同44%増の4億900万円となった。主力のBPO関連事業で受注高が期初予想以上に伸び、売り上げを牽引した。業務開始時期が遅れていた民間大型プロジェクトの追加案件が当期に入り予定通りに稼働。さらに、民間BPO事業者からの受注量が想定以上に拡大。また、臨時給付金案件や年金督励業務など官公庁向けBPO案件も順調だった

 つれて2015年通期の見通しについて、9月22日に8月12日に続いて2回目の上方修正をした。売上高は前期比18%増の136億5400万円(前回予想は同17%増の135億6800万円)、営業利益は同2.5倍の7億2900万円(同78%増の5.3億円)を見込んでいる。

 BPO市場は民間企業のほか、官公庁や外郭団体では財政健全化の流れを受け、民間への事業移管や業務委託など、「官から民へ」の流れはますます加速している。(木村隆:日本証券新聞取締役編集局長を経て株式評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

関連記事

最新記事